• レポート
  • 2016.9.21

【レポート】FOODiT TOKYO 2016「ワンダーテーブルの教育と採用」(前編)

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2016年8月22日、外食業界のリーダーたちが一堂に集結したカンファレンス「FOODiT TOKYO 2016」(主催:株式会社トレタ)が、東京・丸の内のJPタワーホール&カンファレンスにて開催されました。昨年に続き、2回目の開催となる今回は「未来の外食創造へ。さらに深く、一歩先に。」と題し、飲食業界が抱えるさまざまなテーマを軸に、これからの業界のあるべき姿についての講演やパネルディスカッションが繰り広げられました。

和食、イタリアン、海外ブランド誘致など多彩な店舗展開で知られるワンダーテーブル。同社はまた、理想的なCS(カスタマーサービス)の実現に向けた人材採用・教育にも定評があります。今年4月には社内研修を体系化して「ワンダーテーブルカレッジ(ワンカレ)」を開講するなど、従業員の教育に力を注ぐなか、今後を見据えた同社が目指す飲食店の姿と「ホスピタリティ」はどんなものなのでしょうか。ワンダーテーブル・秋元社長の講演を振り返ってみました。


<登壇者>株式会社ワンダーテーブル 代表取締役社長 秋元巳智雄氏
1969年7月3日生まれ。学生時代よりレストラン、バー、カフェでアルバイトを行う。大学生時代に店舗マネージャーやスーパーバイザーを経験。1992年 (株)ミュープランニング&オペレーターズに入社。全国で飲食店の業態開発や現場トレーニングを行う。1994年 友人と創業し、バー、レストラン、スパニッシュを経営。1996年 (株)ワンダーテーブル入社(旧富士汽船(株))。2012年 代表取締役社長に就任。

TEAM of ワンダーテーブル

今日は、ホスピタリティというキーワードをメインに皆様にご披露させていただきます。まず一つ目が「TEAM」です。

私は20代の頃、研修の仕事をしていました。北海道から沖縄までいろんなお店の研修をしているときに、アルバイトさんに言い続けたことーーそれが『TEAM』なんです。Tは考える、Thinkです。EはEye Contact、目線を合わせる。AはAsk、質問をする。Mはメモを取ることです。

弊社には230人の社員がいますが、半年に1回、全社員と1対1で面談をしています。すると、9割ぐらいの社員の人が、将来独立したいとか社長になりたいとか言います。でも、店を持ちたいんだけど、店を持つための準備をしていない人が多いです。

ですから私は「家と店の往復にならないようにしよう」ということをつねに社員に言っています。そのためにも、考えて仕事をする習慣をつけてほしい。しかし、上司や先輩が、部下や後輩に「お前考えろよ」と言っても考えられません。大事なのは何かというと「質問をする」ということです。

上司やリーダーの人たちが考えて質問する、そうじゃないと部下や後輩は成長しません。上司が考えていないと「お前これやっとけ」という指示・命令だけになってしまいます。でも「来月こんなイベントやりたいんだけど、どうかな?」とか「110%の売上をあげたいんだけれど、具体的にはどんなことをやったらいいかな?」とか。つねに上司が考えて質問することによって、部下には考える習慣が付いていくわけです。

続いて、目線を合わせること。これは、真剣さを伝えるということです。上司と部下の間では、目線を合わせることによって「うちのボスは真剣に言ってるんだな」ということが伝わります。

現場においても一緒です。「いらっしゃいませ」と大きな声で迎えるお店があります。それが嫌いでもないし、ダメとはいいません。ただ、大きな声を出す以上にお客様に目線を合わせて「いらっしゃいませ」とか「こんばんは」って言うことがとっても大事だと思っているんです。スタッフ間でもお客様とお話しをする時でも、目線を合わせることによって真剣さが伝わる、気持ちが伝わると思っています。

本日のテーマのホスピタリティは、サービスと繋がります。このとき大切なのは、人は忘れるということ。だからメモを取る習慣を付けようと言っています。サービスとは「記録と記憶」なんです。メモを取り、記録することによって、記憶する力が身について、お客様をまた喜ばせることができると思っています。

例えば、2回目に訪れた店で、名前を覚えていてくれたら。これは非常にびっくりする嬉しいことです。そのためには1回目のときにお客様のことを知ろうとしていないといけないし、質問をしないといけないし、メモを取らないといけないし、覚える努力もしないといけません。

1回目に来てくれた時に「初めてなんですよ」「そうですか、うちはおすすめこれなんですよ」という会話があったとします。そのお客様はお勧めをしたトリュフのピザで喜んでくれました。そしたらメモを取るわけです。「今日初めて来てくれたAさん、社長をやっているらしい、僕がお勧めしたトリュフのピザ気に入ってくれた」と。その後、また予約して来てくれた。そのときに、前回は誰々にサービスを受けたとはいいません。

そのときに、ITやそういう仕組みを利用することで、このAさんが、前回僕が担当してくれたお客様だと気づけたら、Aさんが来たときに「Aさん、こんにちは」って言えるわけです。普通に「いらっしゃいませ」ではなくて。それが、サービスとホスピタリティの違いだし、記録と記憶のサービスだと思っています。

(※一部内容を変更しています。2017年6月8日)

【レポート】FOODiT TOKYO 2016「ワンダーテーブルの教育と採用」(後編)に続きます。

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  • この記事を書いた人

    コヤマタカヒロ

1973年、兵庫県生まれ。90年代にファッション誌にてライター業をスタート。現在はデジタル機器やガジェット、家電などのモノ系とそれらを取り巻くサービスを中心に取材・執筆活動を展開。学税時代はずっと厨房でアルバイトしていたこともあり、趣味は料理。