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  • 2017.7.26

リピーターが増える! おもてなし歳時記〜二十四節気の旬の食材と話題【立秋の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「立秋」とは

立秋【りっ-しゅう】2017年は8月7日~8月22日

立秋になると、天気予報などで「暦の上では、もう秋」というフレーズがよく聞かれます。しかし、夏の暑さはむしろこの時期がピーク。「呼び方と実感がズレてるのは、新暦と旧暦の違いせい?」かと思ったら、そうではありませんでした。立秋は旧暦だと6月下旬から7月上旬で、ますますズレてしまいます。「ピークを迎えた今が、次の季節のスタート」という考え方から、気が早いのを承知で立秋(秋の始まり)という名前がついたようです。ピークだからこそ次の展開を意識するという考え方は、商売においてもきっと大切ですね。

「立秋」においしい野菜-トマト

「トマトが赤くなると、医者が青くなる」というヨーロッパのことわざがあります。トマトの栄養で、とくに注目されているのが「リコピン」。ガンの予防やメタボ対策に効果があると言われています。最近、トマトに砂糖をかける食べ方が話題になりました。トマトに含まれるうまみ成分は、昆布と同じグルタミン酸。イノシン酸を含むかつお節をかけると、相乗効果でよりおいしくなります。お客さまにも、固定概念を大胆にひっくり返す食べ方を提案してみましょう。ひっくり返しても「トマト」なので、たぶんひどいことにはなりません。

「立秋」においしい果物-桃

暑さで体調を崩しがちなこの時期に、せっせと食べたいのが桃。クエン酸やリンゴ酸を多く含むため、疲労回復、食欲増進に効果があります。食物繊維のペクチンも豊富なので、お通じの改善や肌荒れ予防といった女性にうれしい恩恵も。そのまま食べるだけでなく、ひと口大に切った桃(甘過ぎない品種がオススメ)にレモン汁をかけ、オリーブオイルを加えてミントを載せたサラダなんてどうでしょう。パスタのトッピングにするのもオシャレ。料理で丸ごと使う場合は、熱湯の中に10~30秒ほどひたすと皮がきれいにむけます。

「立秋」においしい魚-カレイ

カレイは冬の子持ちもおいしいですが、脂がのって身の味がよくなるのは暑いこの時期。見かけが似ているヒラメは、小魚が主食で口が大きく歯が発達し、身も締まっています。おもにゴカイやイソメを食べているカレイは、控え目なおちょぼ口。動きも穏やかなので筋肉が発達せず、おかげでやわらかい身になります。栄養的には低脂肪高たんぱくで、えんがわと皮の部分には美肌効果があると言われるコラーゲンがいっぱい。カレイを食べれば、動き回らずにのんびり過ごすカレイな生き方を学べたり、カレがゲットできたりするかも……なんて話をして、お客さまに煮付けや唐揚げを勧めてみてはいかがでしょう。

「立秋」に役立つ豆知識
-「お盆」で活躍するナスの牛とキュウリの馬の秘密

ご先祖さまを家にお迎えする「お盆」。新暦の7月より、月遅れの8月15日前後に行なう地域のほうが多いようです。お供え物としておなじみなのが、キュウリで作った馬(精霊馬=しょうりょうま)とナスで作った牛(精霊牛=しょうりょううし)。あの世とこの世を往復するご先祖さまの乗り物で、行きは足が早い馬に乗って来てもらい、帰りは牛に乗ってゆっくり帰ってもらうという意味が込められています。ただ、逆に行きが牛で帰りが馬とされている地域もあるとか。以前は役目を終えると川や海に流していましたが、今はそうもいきません。半紙などの白い紙に包んで塩で清めてから、ゴミとして処分しましょう。

「立秋」にちなんだおもてなし
-「盆踊り」と「ザンショお見舞い」

「お盆」といえば「盆踊り」。店内で盆踊り大会をするわけにはいきませんが、お盆の上にイカやタコやエビの刺身を載せて、踊り食いと称して「盆踊りメニュー」を名乗るのはどうでしょう。「踊り食い」は本来は生きている状態で食べることですけど、気は心ってことで普通のお刺身でもきっと大目に見てもらえます。また「ザンショお見舞いフェア―」として、山椒をたっぷり使った辛い麻婆豆腐で、暑さを吹き飛ばしてもらうのもいいかも。山椒と塩を軽く炒めた「山椒塩」を作って、焼き鳥や天ぷらに添えるのもオツです。

「立秋」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「花火って、死者の魂を慰める『鎮魂』の意味があるらしいですね。それを知ってから、きれいだなって思うだけじゃなくて胸にグッとくるようになりました」

「この夏は海に行きましたか? 海水浴ってもともとは治療行為で、楽しいだけじゃなくて健康にもいいそうですね。あー、今年まだ間に合うかなあ」

「8月も下旬になると、小学生は夏休みの宿題が気になりますね。子どものころ、宿題は早めに片づけるか間際にあわててやるか、どっちのタイプでしたか?」

次回は「処暑」をご紹介します。

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    旬の力総研

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。