• 連載
  • 2017.7.12

リピーターが増える! おもてなし歳時記〜二十四節気の旬の食材と話題【大暑の巻】

  • この記事をシェアする

「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「大暑」とは

大暑【たい-しょ】2017年は7月23日~8月6日

その名のとおり、暑さ真っ盛り。食事や睡眠に気をつけて、夏バテしないようにしっかりタイショしましょう。この時期、よく聞くのが「猛暑日」(最高気温が35度以上)や「真夏日」(最高気温が30度以上)という言葉。気象庁のデータによると、2016年に全国929カ所ある観測地点のうち、初めて半分以上の地点で「真夏日」を観測したのは7月28日でした。2016年の最高気温の記録は岐阜県多治見市で8月8日に観測された39.7度。観測史上最高は2013年8月12日に高知県四万十市で観測された41.0度です。今年も猛暑が予想されていますが、どうせなら腹をくくって、暑さを積極的に楽しみましょう。

「大暑」にうれしい飲み物-ビール

この時期にひときわうれしいのが、冷えたビール。おいしいだけでなく、疲労回復に効果があると言われるビタミンB1や、美肌効果があると言われるビタミンB2を豊富に含んでいます。ビールを飲むとトイレが近くなりますが、その分新陳代謝が盛んになって体内がクリーンになるという一面も。そう、やや極論ですが「ビールを飲むとキレイになる」と言えなくもありません。ただし、飲み過ぎと脱水症状には気をつけたいところ。「いっしょにどうぞ」とお水を出せば、お店の気遣いを感じてもらえるし、腰を据えてゆっくりじっくり飲んでくれそうです。

「大暑」においしい魚-アユ

アユの旬は夏。あの優雅な姿を見ると、清流を思い出して涼しい気持ちになれます。アユを漢字で書くと「鮎」ですが、魚へんに「占」になった由来は、昔、夏のアユの育ち具合で稲の出来を占ったからなど、いろんな説があります。塩焼きが一般的ですが、フライや天ぷらや唐揚げも美味。圧力鍋を使った甘露煮や、土鍋での炊き込みご飯もインパクト抜群です。アユは香りのよさが特長ですが、新鮮なものはスイカ、いまいちのものはキュウリに似た香りがするとか。お客さまに「今日の鮎はスイカの香りがしましたよ」と言えば、期待に胸をふくらませてくれるでしょう。

「大暑」においしい野菜-ゴーヤ

ゴーヤが今のように全国区になったのは、2001年に放送されたNHKのドラマ「ちゅらさん」がきっかけでした。ゴーヤの苦味に含まれる「モモルデシン」という成分が、胃液の分泌を促して食欲を増進させてくれます。肝機能を高めたり血糖値や血圧を下げたりする効果も。また、豊富に含まれているビタミンCは、加熱しても壊れにくく、夏バテ対策にピッタリです。ゴーヤチャンプルのほか、ナムルやサラダに使うのもオツ。緑のカーテンで育ったゴーヤを持て余しているお客さまも多いので、いろんなメニューを試作して「こういう使い方もありますよ」と教えてあげると、きっと喜ばれます。

「大暑」に役立つ豆知識
-「土用の丑の日」はウナギだけじゃない

今年は「土用の丑の日」が、7月25日と8月6日の2回あります。「ウナギを食べる日」としておなじみですが、じつはウナギに限る必要はありません。もちろん、栄養たっぷりのウナギを食べれば、暑さを乗り切る元気が出るでしょう。しかし、もともとは「丑の日」にちなんで、「うが付く食べ物を食べると夏負けしない」と言われていました。うどん、梅干し、ウリ、牛……などなど。「土用の丑の日」には、値が張るウナギはあえて外して、うが付く食材を使った“夏を乗り切る特別メニュー”を用意してみるのはどうでしょうか。

「大暑」にちなんだおもてなし
-「アツさ」に立ち向かってもらう

どうせなら暑さをネタにして、お客様に楽しい気分になってもらいましょう。「アツさをやっつけろ!」「アツさをたいらげよう」などと銘打って、通常の2倍のアツさのハムカツやトマトサラダを用意します。オニオンスライスを2倍のアツさにするのも、きっと刺激的。ただ、それだけだと「たしかに寒くはなった……」と呆れられそうです。一時期ネットで話題になった「ガリガリ君」を使ったソーダハイや、専用のマシンが販売されている「あずきバー」のかき氷など、ちゃんと涼しいものも用意しておいたほうがいいでしょう。

「大暑」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

毎朝、蝉時雨(せみしぐれ)で起こされるんですけど、それがけっこう気持ちよくて。大人になったってことでしょうか。あらためて口にすると、蝉時雨(せみしぐれ)ってきれいな言葉ですね。

ご無沙汰しているお客さまに、たまには暑中見舞いのメールでも出してみようかなって思ってるんですよ。メールでもやっぱり、立秋(8月7日)になる前にお送りした方がいいんでしょうか。

昼間のすごい入道雲、見ましたか? 入道って坊主頭のことなんですってね。たしかに、ちょっとナデナデしてみたくなるかも。

次回は「立秋」をご紹介します。

【関連記事】
夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
夏至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

  • この記事をシェアする
  • この記事を書いた人

    旬の力総研

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。