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  • 2017.6.28

リピーターが増える! おもてなし歳時記〜二十四節気の旬の食材と話題【小暑の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「小暑」とは

小暑【しょう-しょ】2017年は7月7日~7月22日

そろそろ梅雨が明けて、本格的な夏を迎える時期です。気象庁のデータによると、平年の梅雨明け日は、九州南部(奄美を除く)が7月14日ごろ、九州北部が19日ごろ、四国が18日ごろ、中国・近畿・東海・関東甲信が21日ごろ。北陸、東北は小暑の時期よりも先です。平年より遅れる年もありますが、明けない夜はないように、明けない梅雨はありません。長引いたときは、焦らない大切さを学んだり、待つ楽しさを味わったりしましょう。七夕祭り、ほおずき市、朝顔祭りといった夏の風物詩が楽しみな時期でもありますね。

「小暑」に出したいメニュー-そうめん

今年の「小暑」が始まる7月7日は、ご存知の「七夕」だけでなく「そうめんの日」でもあります。平安時代の延喜式という書物に「七夕にそうめんを食べると健康に過ごせる」と記されていました。そうめんを天の川に見立てて、恋愛成就を願って食べる習慣もあったとか。健康や恋愛との関係を説明しつつ、オクラの輪切りや星型のニンジンを載せた七夕バージョンのそうめんをメニューにしてはどうでしょう。最近は、上質なそうめんにオリーブオイルと天然塩をつける食べ方も人気。小麦本来の香りと味が楽しめます。

「小暑」においしい果物-スイカ

夏の果物といえばスイカ。90%以上が水分なので、身体を冷まして熱中症や夏バテを防いでくれます。水分だけでなく、栄養もたっぷり。リコピンやカロテンにはアンチエイジング効果があり、利尿作用があるシトルリンやカリウムはむくみや高血圧を予防すると言われています。グラスに切ったスイカを入れて、よく冷えたシャンパンや白ワインを注げばオシャレな一杯の出来上がり。種もタンパク質やビタミンEなど栄養の宝庫。洗って乾燥させ、フライパンで塩を振って炒れば、ビールにピッタリのおつまみになります。一般的には食べない皮の部分も、外側の硬い部分を取り除き、白い部分で炒め物やピクルスなどにしても美味しいです。

「小暑」においしい貝-シジミ

シジミがいちばん美味しいのは、この時期。産卵期にあたるので、身が大きくなってプリッとしています。肝機能を高めて二日酔いの苦しみを軽減してくれますが、大きく貢献しているのがアミノさんの一種のオルニチン。味噌汁にするとさらに効果抜群です。もちろん、理想は二日酔いになる前に飲むこと。〆にシジミ汁をサービスして、お客さまへの思いやりを形にしてみてはいかがでしょう。シジミが小さい場合は、爪楊枝を添えてもいいかも。ただ、せっせと身を取る根気は、酔っぱらいにはないかもしれませんけど。

「小暑」に役立つ豆知識-「お中元」のルール

昔の中国では1月15日を「上元」、7月15日を「中元」、10月15日を「下元」と呼び、その日は罪滅ぼしのために神様にお供え物をしました。それが日本でお盆と結びついて、お世話になった人に贈り物をする風習が生まれます。「お中元」を贈る時期は、首都圏では7月初めから中頃。8月初めから中頃の地域もあります。最近は7月中頃までに贈る地域が増え、それを過ぎると「暑中見舞い」や「残暑見舞い」の名目にすることも。受け取った側は、基本的にお返しは必要ありませんが、電話や手紙で必ず感謝を伝えましょう。

「小暑」にちなんだおもてなし-願い事別に選べる五色の短冊

七夕のときは、願い事を書いた5色の短冊を笹につるします。5つの色は陰陽五行説に由来して、それぞれにふさわしい願い事があります。赤は感謝、青は成長、黄は人間関係、白は規則や義務、黒(紫)は学業。色にまつわる説明を添えて5色の短冊を用意しておけば、お客さまも楽しみながらあれこれ書いてくれるでしょう。あるいは、赤はエビチリ、青はカクテルのブルーハワイなど、5色にまつわるメニューを決め、「願い事をしながら食べると叶う……かも」と言ってしまうのも一興。せっかくですから、七夕を過ぎても小暑の間は有効ということにして。

「小暑」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

ほおずき市の7月10日にお参りすると、四万六千日分の功徳があるらしいですね。計算すると126年ぐらいですけど、そこまで長い必要はないかなあ。

もうすぐ海の日(2017年は7月17日)ってことで、海の恩恵に感謝して海洋国日本の繁栄を願いつつ、海の魚のお刺身なんてどうですか。

送り梅雨(梅雨が明けるころに激しく降る雨のこと。雷雨になることも多い)なんでしょうか、よく降りますね。帰り道、お気をつけください。

次回は「大暑」をご紹介します。

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    旬の力総研

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。