• 編集部セレクト
  • 2016.6.7

Makuakeに聞きました。飲食店のクラウドファンディング「成功のコツ」と「失敗の理由」とは(前編)

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メディアへの掲載、折り込みチラシ、DMなど、新店開業時のプロモーションにはさまざまな手法があります。近年、新たなプロモーション手法として注目されているのが「クラウドファンディング」。不特定多数からサービスやプロジェクトに対する支援を募る、新しい資金調達方法です。

飲食店の開業資金調達のために利用が増えるクラウドファンディング

一般的にクラウドファンディングでは、製品やサービスに関するプロジェクトが多いと思われがちですが、日本では、飲食店の開店で利用する例が増えています。

サイバーエージェント・クラウドファンディングが提供している「Makuake」では、今までこのようなプロジェクトが提案されてきました。


ローストホース
目的 調理機材の費用の出資を募る
目標金額 3,240,000円
調達金額 6,002,111円


C by favy
目的 食材の仕入先開拓費用の出資を募る
目標金額 800,000円
調達金額 3,573,000円


KURAND SAKE MARKET 池袋
目的 仕入れ、経費、店舗プロモーション費の出資を募る
目標金額 648,000円
調達金額 3,163,644円


CROSSOM MORITA
目的 調理機材の費用の出資を募る
目標金額 3,000,000円
調達金額 10,060,000円

製品やサービスと違い、飲食店は来店できる人が対象となることが多いため、人口の多い東京圏であっても、ターゲット層へのリーチは難しいと言われます。しかしこれらのプロジェクトでは、支援者だけが来店できる会員権や、割安価格でメニューを楽しめるといったリターンの魅力により、多くの支援者からの資金調達に成功しました。

オープン前からのファン開拓は、今までのプロモーション手法では叶えられにくいものでした。しかしクラウドファンディングを使えば、先にお金を支払ってでも店を応援するファン層を多く掴むことができます。

人気店となるかの事前調査もできるクラウドファンディング

では、誰でもクラウドファンディングを使えば資金を集められ、プロモーションを成功させることができるのでしょうか。

答えは「No」です。

飲食業界でクラウドファンディングを使うには、どのようなところに気を配るべきなのでしょうか。Makuakeを運営するサイバーエージェント・クラウドファンディングの取締役・坊垣佳奈さんに伺いました。

Makuakeのサービスがはじまったのは2013年。ジャンルを問わずさまざまなプロジェクトに取り組む中、2014年から飲食店が増加。資金調達にとどまらず、マーケティングやプロモーションの効果があることもわかってきたので、その知見を生かし、飲食店開業でのクラウドファンディングの活用法を考えていったそうです。オープン前のプロモーションもでき、実際に人気店となるかの調査もできるといったお話をし、実行者とともにプロジェクトを組み立てていくそうです。

プロジェクト実行者と、その周囲の方にも積極的に情報発信

ローストホース(前出)のプロジェクトでは、「完成した店をみたとき、期待を超えていていました。イメージしかない段階で支援してくださったみなさまが『支援してよかった』と思えるかは、完成した店次第なんです。私たちはプロジェクトのお手伝いはできても、店の完成度までは踏み込めないのです」。

では、ローストホースではどのような支援者が多く集まったのでしょうか。

「ローストホースを立ち上げた平山さんが、以前に店長をやられていたロッキー馬力屋の常連さんから火がついたところはありました」。

プロジェクト実行者で、ローストホースのオーナーである平山峰吉氏のバックグラウンドがあってこそ、期待度の高さにつながったと坊垣さんは分析。平山氏は東京・渋谷のロッキー馬力屋という馬肉専門店の元店主。渋谷界隈の肉好きの間で話題でした。独立して、独自の視点で経営するとのことで、最初は“平山さんの店だから”支援するという方が多かったそうです。

次に、ロッキー馬力屋を知っている・行ったことがあるという方が集まってきました。そして彼らがFacebookやTwitterなどで「Makuakeで支援した人しか店に行けない、美味しい馬肉の店ができる」とプロジェクトページをシェアしたことで、情報が拡散し、さらにメディアにも取り上げられたことで、最終的には平山氏もロッキー馬力屋も知らない方々からの支援も集まりました。

ロッキー馬力屋が好き・平山氏が好きという方々の中で、いち早く情報を察知した方々が中心となり、肉料理が好きという人々を巻きこんで支援ムーブメントを盛り上げていったという格好です。

では、クラウドファンディングを利用するとして、どのようにその情報を拡散していけばいいのでしょうか。Makuakeに聞きました。飲食店のクラウドファンディング「成功のコツ」と「失敗の理由」とは(後編)に続きます。

(※一部内容を変更しています。2017年6月8日)

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  • この記事を書いた人

    武者良太

1971年、埼玉県生まれ。80年代後半からライター活動をはじめ、90年代に出版社に入社。編集、撮影、デザインのスキルを身につけ、再度フリーランスに戻る。ギズモードジャパン、モノマガジン、デジモノ、Wired等のメディアに寄稿。元Kotaku Japan編集長。