• レポート
  • 2016.9.16

【レポート】FOODiT TOKYO 2016「古い体質を打ち破れ!次世代リーダーたちの提言」(後編)

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【レポート】FOODiT TOKYO 2016「古い体質を打ち破れ!次世代リーダーたちの提言」(前編)では、稲本氏をモデレーターに飲食業界の次世代を担う貫氏、石田氏、花光氏に成功の秘訣や他の経営者との違いなどを伺いました。後編では人生の目標や今後の展開について聞きます。

自社に対する思い

稲本 花光さんは上場の話をあまりしないけど、なぜ?

花光 あまり興味がないんですよね。上場すれば、最短最速で日本一という目標を到達できるのであればやらざるを得ないですけど、僕自身が上場企業の社長の器としてどうかなというのもあります。


株式会社subLime 代表取締役社長 花光雅丸氏

稲本 石田さんのレストランに対するアプローチや思いを語ってください。

石田 大事にしているのが生産者様との密な関係です。スタッフたちはワインも野菜もお酒も一緒に作りに行っています。もちろん、貫さんのように同じものをたくさん生産するのもあると思います。弊社の飲食店は4店舗しかないので、ひとつひとつ丁寧に向き合える。お客様おひとりおひとりとも向き合えて楽しい。それが飲食の原点で、昔も今もこれからも変わらないと思います。


株式会社サイタブリア 女将 石田弘子氏

これから挑戦したいことは?

稲本 ビジョンやストラテジーも含めて、これから挑戦したいことを聞かせてください。

貫 外国から見たときに「寿司、ラーメン、天ぷら、焼き鳥、串カツ」と並ぶように、串カツを日本を代表する食文化にすることが目標。そのためにも切磋琢磨して、ライバルも増えて、その中で私たちのやることが一番であり続けるということが大事で、そうしないと文化にはならないと思っています。焼鳥店ぐらいの層の厚さになったときトップにいたら、本当に盤石な「串カツ田中ブランド」になっていると思っています。


株式会社串カツ田中 代表取締役社長 貫 啓二氏

石田 私はせっかく周りに上場された経営者達がおられるので、ぜひ託児所を作りませんかと。だって、たくさんお店がある飽和状態で、確実に働いてくださるアルバイトの方はどんどん減り、高齢者が増える。その時に女性の活躍はもっと必要になってくる。そこを本気で飲食や商業施設作る人たちに訴えていきたいと思っています。

花光 僕はこの飲食業に骨を埋める覚悟があるので、自分が選択した飲食業で日本で一番の外食店企業を作ります。売上げと利益両方で。

これからの飲食業界はどうなっていく?

稲本 現状を打ち破っていく感覚について聞きたいと思います。僕は業界全体が少しこじんまりとしているように感じます。居抜き戦略もいいけども、そのために自分が好きなことをあきらめたりする。20年くらい前はみんな夢があって「負けないんだ!」ってエネルギーがすごくあった。これからの飲食はどうなっていくのか聞かせてもらえますか。

貫 僕は古いタイプだと思います。コツコツやって、組織づくりも古いほうだと思います。最近は頭がいい若い経営者が多い。僕はいろんな事業を失敗してきましたけど、たまたま田中の家のレシピを拾っちゃって、それが当たって。いっぱい出てきた模倣店に負けず、田中を守るためにチェーン展開をしたんですね。最初から展開しようという気もなかったし、ただただ田中を守るためにやって来ました。

だから、これから飲食を盛り上げていこうという方は、好きなタイプの経営者の方へ行かれるのがいい。古いもの、新しいものそれぞれに良いとこあると思います。僕はマロさん(花光氏)みたいな経営はできないし、やりたいとは思わない。

稲本 「串カツ田中」は、繁盛店を作っている人や会社と店舗展開をやっている。今までフランチャイズビジネスにない形だと思う。自社よりも大きく、強いオペレーション能力を持った会社にブランドを預けるスタイルは「串カツ田中」ただひとつだと思っています。

貫 地方でもフランチャイズをやっていますが、基本的に僕のSNSで繋がっている人とだけでやっている感じです。だから募集にそんなお金もかけてないし、気の知れた仲間、信用できる人でっていうやり方で展開したので揉めごともないですね。

稲本 僕からはその方法がすごく新しく見えた。ノウハウをシェアしている感覚は新しいと思うね。

花光 今後、飲食は二極化すると思っているんです。利便性による飲食店の使われ方と本物。ネットがない時代はいい店もわからなかったが、ネットによって本物が顕在化してきた。これから高級業態ってどんどん伸びると思っていて、日本の高級業態を世界に輸出できると思っています。一方で、利便性も求められるようにもなってくる。業態ではなく立地でお店を選ぶ。だからいい立地を抑えてその時々にあった業態を当てはめて、お客様が来る仕組みが作れればなあと思っております。

石田 飲食店の労働時間と考え方が変わってくると思っています。365日営業が必ずしも売上に直結しないし、お店や会社が発展するわけではないと。「レフェヴェソンス」では2週間夏休みをいただくんですが、それは社員が相談して決める。自分たちで自分たちの給料や休みも決める仕組みですね。

商業施設に入っている「ラ・ボンヌターブル」は、商業施設のルールで定休日が設けられなかったんですね。でも、365日営業していると共通の時間が取れないため、スタッフたちが疲弊していく。なので、商業施設に交渉して3年目から定休日を作りました。私は社員のみんなに「たくさんお休みを取ってね」といつも言っているんです。私たちの会社はきちんと休みが取れる飲食です。

海外に飲食業界が攻めていくのは大事

貫 稲本さんは60歳くらいの時、どんな自分でありたいですか?

稲本 来年50歳なので、あと10年ですけど、まあそんなに変わんないかな。老いない努力は、スポーツなどで補っているけれど、自分の満足というのをより多く求めていくと思う。そうじゃないと人生楽しくない。で、弘子(石田氏)のような社会的なことも、僕なりにそろそろ恩返ししていかなくちゃいけないなとも思う。けれども、「お前は変わらないね!」って言われるのが一番好き。そんな風に生きていきたいなって思っています。

花光 人生の目標ってありますか?


株式会社ゼットン 代表取締役会長 稲本健一氏(モデレーター)

稲本 やっぱり日本人として、海外に飲食業界が攻めていくのは非常に大事だと思っている。日本人がものすごいレストランを握っていると思う。僕はハワイや、オーストラリアでもやって来て、おかげさまで非常に繁盛しているんです。すると「次は?」と聞かれるんです。そこで僕は、飲食業はすごいといつも答えるんです。

例えば、日本で弁護士になっても、世界では働けないじゃないですか。ひとつの技術を身につけて世界で働ける飲食ってすごいよね。本当に料理がうまい人は、言葉がわからなくても世界に通用する。世界中どこへ行っても、包丁は切れるし、トマトはトマトだし。氷は冷えるものだし、シェーカーの形はだいたい同じなんです。

僕はバーテンダー出身なので、世界中どこでも働けるぞっていう自信で今までやってきた。この年齢になって自分がある程度動けるようになって、じゃあ次何やるんだろうなってもう1回創業していくって、世界に創業者としてぶつかっていくっていう仕事を僕はしたいと思う。

そろそろ時間ですので終了しましょう。ありがとうございました。

(敬称略 ※一部内容を変更しています。2017年6月8日)

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    明日のレストラン編集部

飲食店で働くすべてのみなさまのため、今日より明日さらに繁盛させるためのノウハウなど、すぐに役立つ情報をさまざまな角度からお届けします。