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連載
2017年6月21日

河野祐治の大繁盛への道【1】繁盛店視察の6つの鉄則

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年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける飲食店コンサルタントの河野祐治氏。本連載では、大繁盛店になるためのヒントをズバリ教えていただきます。

今回のテーマは、「繁盛店視察をどう行なうか」。繁盛店視察をするべきか、否かは個人の考え方次第です。しかし繁盛店から学ぶことは多いため、積極的に見ることを河野氏はおすすめしています。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 繁盛させたいなら、繁盛店視察から

これまでに、数多くのコンサルティングを行なってきました。そこで感じるのは、繁盛していない店ほど、繁盛店を視察していないという事実です。なぜ繁盛しているのか、どこが自店と違うのかをお客さまの立場で体験して、ヒントを見つけることです。繁盛に向けて大きな一歩を踏み出しましょう。

その2 地方の繁盛店には学びが多い!

地方で開業される方は、視察をするなら東京だと考えがちです。ちょっと待ってください。東京と地方では市場が違いますし、東京はブームの流れが早く、一時的なブームで繁盛している店もあります。それらの店が5年、10年と長く続くかと言うとそうでもありません。もし、東京で視察をするなら30年、50年と続く店を視察するのがいいでしょう。古典酒場という名だけではない、常連獲得の秘密がきっとあるはずです。

出張で地方を訪れると、地元のみなさんは声を揃えて「地方は大変なんです…」「東京だから売れるんでしょう?」と言います。しかし、辺鄙な立地でも繁盛している店はたくさんあります。そのため、地方で店を構える方には「立地的な言い訳できない地方の繁盛店」の視察を強くおすすめします。

逆に、東京の繁盛店の経営者が注目するのは福岡の博多エリアです。昔から、個人店が強く、深夜でも活気づいています。そのためか、ナショナルチェーンが出店に苦戦するのが博多エリアだと言われています。博多エリアの繁盛店はパワーに溢れており、参考になる部分も多いと思います。

その3 視察は電話予約をする時から始まる!

電話の対応がいいと「ぜひ行きたい!」と思いますよね。電話予約の時点で店の印象が決まると言っても過言ではないのです。

繁盛店視察を行なう時は、必ず自分で電話予約をしましょう。他人に任せてはいけません。電話の印象がどんなものだったか、なぜそう思ったのかを考えることです。

電話の応対には、店のスタンスがよく現れているものです。魚料理が評判の店に電話した時のこと。席だけの予約をお願いしたところ、「刺し盛りだけでも用意しておきましょうか」と提案をされました。看板メニューである刺し盛りを食べていただきたい気持ちや、お待たせせずに提供しようという気遣いなど、この一言にいろいろな意味が込められていることが伝わり、期待も膨らみました。電話の対応だけでも学びはありますよね。

その4 看板メニューは味以外もしっかりチェック!

繁盛店には看板メニューがあるので、必ず注文してください。味そのものも大切ですが、見落としてはいけないのが味以外のことです。美味しいのは当然ですからね。

まずは、ネーミング。看板メニューだとすぐわかるようなキーワードがつけられていたり、「どんな味だろう」と興味をそそられるメニュー名であったり、トレンド感を演出していたりと、つい注文したくなる秘密が隠されているはずです。

続いて、提供方法や盛りつけのチェックです。「おいしそう!」「かわいい!」「すごいボリューム!」と感じさせるだけではなく、撮影をしたくなったり、SNSで友人に自慢したくなるなどお客さまの心を動かし、アクションを起こさせる仕掛けがたくさんあるものです。


画像はイメージです

看板メニュー以外では、自店でも提供しているメニューを比べるのもいいと思います。「どうすればレシピ以外の価値を高め、あと100円高くできるか」という視点で見てください。きっと参考になる部分がありますよ。

その5 繁盛店のマインドもチェックせよ!

スタッフの接客の姿勢やマインドも必ずチェックしてください。コンテストで上位をとるようなサービス力のある店は、真似しようと思っても簡単にできるものではありません。もちろん技術を磨くことも大切ですが、まずはスタッフがどういった姿勢でサービスをしているかを見ましょう。

繁盛店は、何も特別なことをしているのではなく「予約のお客さまにメッセージカードを書く」「きちんとお見送りをする」「サラダを取り分ける」など、やろうと思えばすぐにでもできることをきちんと実践しています。自店でもできることはないか、そのアイデアを探します。スタッフの姿勢もチェックしておけば、自店で取り入れたときに上辺だけのコピーではないサービスができるはずです。

繁盛店はアルバイトにまで教育が行き届いていることが多いものです。「スタッフがお店のファンであるか」で店の雰囲気も変わります。ですから、スタッフ同士のコミュニケーションなどの雰囲気づくりも、しっかり見ておきたいですね。

その6 「繁盛」を認め、いいところだけを見よ!

「何でこのレベルで繁盛するんだ…」などと、ネガティブな見方ではもったいないです。繁盛店でも、悪いところの一つや二つは必ずあるもの。あら探しにならないよういいところだけを見ましょう。ライバル視ではなく、繁盛していることを認めてこそ、繁盛店の学びをうまく取り入れられるコツですよ。

そして、忘れてはならないのは「なぜ繁盛しているのか」をしっかり視察し、自分なりに分析することです。どこを自店で取り入れようか、取り入れるにはどうしたらいいかを具体的に考えられてこそ視察の上級者と言えます。
(構成:虻川実花)

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河野祐治の大繁盛への道【2】コンセプトづくり5つの鉄則

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参考:
飲食店コンサルタントの独り言

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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