• レポート
  • 2016.4.15

【飲食店に直撃レポート】悪質な無断ドタキャンを防ぐ方法とは

  • この記事をシェアする

2016年4月、ある「無断キャンセル」がネットで話題になりました。

「食材が無駄になりました…警察行きますよ」 居酒屋をブチ切れさせた早大サークル「予約」バックレ : J-CASTニュース

50人の予約を入れたものの、無断キャンセル。気持ちの収まらない居酒屋従業員がTwitterに告発したことで炎上したものです。

「無断キャンセル」「No Show」「バックレ」……これらの話題がネット上で多く見られるようになり、問題視する声も徐々に広がり、次のような「無断キャンセル、ダメ、ゼッタイ!」を広く呼びかける記事が取り上げられることも増えました。
予約のドタキャンする人は仕事も出来ない、モテない「空気読めない人」:トレタブログ
飲食店が『ドタキャン』されるより困ることは?:トレタブログ

とはいえ、ゼロにはならないのが無断キャンセル。いくつかの飲食店に話を伺うと、大人数の無断キャンセルは少ないものの、多かれ少なかれ発生しているのが現状です。

実際にあった無断キャンセル

まずは、これまでに体験した無断キャンセルについて伺いました。

「数日前までは連絡が取れていたのに、当日お客さまがいらっしゃらず、電話にも出られない。あとから『キャンセルの連絡を忘れていた』と謝罪がありました」(肉料理専門店経営・Aさん)

「貸切予約のお客さまと当日に連絡が取れなくなり、とても困ったので警察に相談したことがあります」(洋風居酒屋店長・Bさん)

無断キャンセルではないもののこんなケースも。

「20人のご予約だったのに最終的に4人しか来られなかったことが。早めに連絡をくれていたら、席を埋められたのに」(焼鳥店チェーン経営・Cさん)

無断キャンセルはなぜ起こってしまうのか

飲食店側は、無断キャンセルが起こると考えているのでしょうか。

「『仮押さえ』のつもりで複数の飲食店を予約するためだと思います。お客さまにとっては『仮』でも、私どもにとっては通常の予約と同じなのですが」(イタリア料理店店長・Dさん)

「早い時期の予約は、予約したことを忘れてしまうと考えられます。食事会を企画し、適当な人数で予約したものの、結局人数が集まらず食事会がなくなったのにキャンセルを忘れてしまうなどです」(Aさん)

さすがに意図的な無断キャンセルはないだろうというのが共通した受け止め方。「ついうっかり忘れてしまう」ために起こると考えているようです。ネット予約の増加で「予約が手軽になったため、簡単に忘れる傾向もある」とCさんは指摘しています。ネット予約は双方にとって利便性の高いものです。その一方で「重要な注意事項が伝わらないなど、お客さまとのコミュニケーションが弱くなると感じる」という声もありました。

電話確認にリマインドメール……防止策いろいろ

では、無断キャンセルの防止策を聞いてみました。

まず、予約受付時の連絡先確認。「大人数の予約では、勤務先の連絡先も聞く」とBさんはいいます。連絡先を複数聞いておくことで連絡が取りやすくなるばかりか、「会社に迷惑がかかるかもしれない」と思わせる効果も期待できます。

また、「1カ月以上先の、10名を超える予約は受け付けない。ネット予約の場合は6名以上の予約を受け付けない」(和食レストラン店長・Eさん)と、リスク軽減のため予約人数などを制限する対策もありました。

現実的な方法として「リコンファーム(事前の予約確認)」を実施する飲食店が多く見られます。Eさんは「団体予約の場合は、必ず前日に電話確認を取る」と言いますし、Aさんも「10人を超える団体や2週間以上前の予約受付は、必ず電話で確認を取る」と話します。

これはネット予約の場合も同様で、予約当日までの間に予約確認メールやリマインドメールを配信することが効果的だとか。Bさんによると「確認メールがあれば、お客さまが予約日の取り違えをしていても気づいてもらいやすい」。とはいえ電話やメールで連絡が取れない場合でも、飲食店側が勝手にキャンセルするわけにはいきません。飲食店としては「当日、来ないかもしれない覚悟で予約を残すしかない」(フランス料理店経営・Fさん)ということです。

ホテル業界と同様、飲食業界もキャンセル料を設定し、無断キャンセルの場合は全額負担となるような仕組みづくりが進むだろうと予想されます。現状では事前のカード決済登録やデポジットの取り扱いなど課題がたくさんありますが、いずれそういう世の中になるでしょう。

「飲食店はサービス業」基本に立ち返ることで、お客さまのマナーを変える

もちろん、仕組みづくりの整備を待つだけでは「無断キャンセル」は減りません。Bさんは「何よりも『無断キャンセルはいけない』という風潮が広まることを期待したい」と話します。

だからといって、SNSなどで自店の被害をアピールすることに批判的な飲食店も少なくありません。「気持ちがわかるが、大騒ぎしてお客さまと敵対するようなことは避けるべき。飲食店はサービス業だという基本に立ち返れば、まだまだやるべきことはある」と、Cさんは次のように話しています。「以前、Twitterで予約を受けていましたが、無断キャンセルはゼロ。Twitterでのやり取りを通じ、お客さまと仲良くなっていたからだと思うんです。だから自然と、お客さまの側に『キャンセルしたら悪いな』っていう気持ちが生まれる。お客さまとの心の距離が近ければ近いほど、無断キャンセルが少なくなると考えています」。

また、Aさんも同様の考えです。「予約受付時に丁寧な応対をすると、『あの店は感じが良かったから、ちゃんと連絡しないと申し訳ない』という気持ちを持っていただくこともあると思うんですよね」。

今後のテクノロジーの進化に期待する一方で、「丁寧な応対」や「お客さまとの距離を縮める」というホスピタリティをさらに強化していくことも大切だというわけです。たしかに、飲食店の応対・接客姿勢がさらに磨かれれば、お客さまの意識も変わり、無断キャンセルは少なくなっていくのかも知れません。

(※一部内容を変更しています。2017年6月8日)

  • この記事をシェアする
  • この記事を書いた人

    明日のレストラン編集部

飲食店で働くすべてのみなさまのため、今日より明日さらに繁盛させるためのノウハウなど、すぐに役立つ情報をさまざまな角度からお届けします。