やっぱり商売の基本は「三方よし」。売り手、買い手、世間に利益を提供し、みんなで繁栄していこう!

近江商人の心得として知られる「三方よし」。商売の基本として注目する人も多く、しばしば現代のビジネスモデルに当てはめて考えられることもあります。これは一体どのような教えで、飲食店さまの経営にはどう活かすことができるのでしょうか。

「三方よし」ってどういう意味?

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デジタル大辞泉によると「三方良し」とは、“「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるのがよい商売であるということ。近江商人の心得をいったもの。”とあります。つまり、誰もが満足する商いをすべしという教えです。

近江商人とは、ほかの地方に行商した近江(現在の滋賀県)出身の商人のことです。その起源は鎌倉時代にまでさかのぼることができるようですが、近江が幕府の直轄地となった江戸時代中期以降にもっとも栄えました。全国津々浦々に赴いた商人たちは、ときには海外にも出向いていたそうです。丸紅、伊藤忠など、現在も近江商人に起源を持つ企業は数多く存在します。

近江商人の行商においては、旅先の人々の信頼を得ることが大切でした。そのための心得として説かれたのが、この「三方よし」です。近江商人はほかの地方で商売をしましたが、この教えを守ったためか、訪れた土地で排斥されることはなかったといいます。

この「三方よし」の教えは、現代の飲食店経営でも十分に参考となるところがあります。実際にどのように活かすことができるか、具体的に見ていきましょう。

「売り手よし」―お店の利益が上がる、だけではない

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「売り手」というのは、お店側のことです。売り手にとって「よいこと」とは、今も昔ももちろん「商売で利益が上がること」。しかしそれだけを求めているわけではないでしょう。店長やスタッフにとってやりがいのある仕事か、などもよく考えるべきポイントとなります。

飲食店オーナーの場合、まずはお店のコンセプトに自分で満足できているかを再確認してみてはいかがでしょうか。どういう味をどういった空間で提供する店なのか? 「おふくろの味」か「トレンドの食材」か? 「ホッと和める店」を目指しているのか、あるいは「今風」を売りにしたいのか……? コンセプトがはっきりしていて、そのような店を持てていることに心から満足を感じていれば、売り手よしの第一関門は突破しているといえます。そこをクリアしたら、自分やスタッフの仕事内容も見直し、「売り手」にとってよい環境を整えましょう。

「買い手よし」―お客さまの「満足」は変化する

「買い手」はお客さまのことです。今も昔もお客さまにとっての満足とは、商品やサービスの品質や価格に満足することであることなのは間違いないといえそうです。

ただし、現代における「買い手よし」はなかなか難しい部分があります。「お客さまの満足」は変化のスピードが速いということをいつも心に留めておいたほうがよいでしょう。インターネットやスマートフォンの普及によって、近江商人の時代から情報伝達のスピードは格段にアップし、極端なことをいえば、今日流行っていたものが明日は流行遅れになる可能性もある時代となりました。料理や内装、サービスについてもお客さまの嗜好に変化が生じている可能性は常に考えておきましょう。時代を敏感にとらえて必要に応じてお店を少し変えていくことも、現代の「買い手よし」につながるのです。

「世間よし」―現代のCSRの先駆けともいわれる

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現代のCSR(企業の社会的責任)の先駆けともいわれる「世間よし」。近江商人をルーツにもつ大手企業のなかには、この教えを100年以上守り続けたために発展できたと考えている企業もあるようです。社会の一員であるという自覚を持ち、人々の期待に応える企業は、多くの人から長く支持されていきます。

飲食店さまにおける「世間よし」もCSRを意識したものにしたいですね。外食産業は「食品」を扱う商売であることから、大きな社会的責任を負っています。言うまでもなく、食材の安全性確保もそのひとつです。お客さまに安心して料理を味わってもらえるかどうかには、常に細心の注意を払っておきたいものです。

「三方よし」で繁盛店に!

江戸時代から伝わる近江商人の教え、いかがでしたか? みんなが得をする、という考え方は逆に言えば誰も損をしないということを商売の基本としているのです。一つひとつを確実に実践していけば、人々から大きな信頼を得られ、お店の評判も高まっていくでしょう。ぜひこの「三方よし」を活かして、繁盛店への道を見つけてくださいね。


参考:

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