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  • 2016.2.2

日本を支える巨大産業「外食」の今を知って未来を創る

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景気や流行に極めて敏感に反応し常に形を変え続けている外食産業。今回は業界の基本的な構造と特徴をおさらいし、今後の展望を知る上で役立つキーワードを紹介します。

業界の基本的な構造

まず、外食産業の基本的な構造をおさらいします。

最大の特徴はその多様性です。そのため、大手企業の占有率が低いことも挙げられます。業態が極めて細分化していることもあり、大手企業の寡占が難しいということですが、中小を含めた多くの事業者が変化に富んだサービスを展開している様は、人々の生活を支える基幹産業らしいあり方といっていいでしょう。

飲食店経営において、業態の細分化はひとつの着目点です。同じ外食であっても、カフェ、居酒屋、バー、高級レストランなど、それぞれがターゲットとしている客層、提供するメニュー、営業時間や立地などは大きく異なっています。そうした多様な業態が個々に住み分けをしていることも、外食産業全体として大きなシェアを持つことが難しい理由です。新規参入や店舗の拡大を狙う場合は、これらの業態にあわせたお店づくりに十分注意する必要があります。

最近の市場推移と各企業の動向

次に市場を見てみましょう。

一般社団法人日本フードサービス協会が公表している統計によれば、一般的なカフェやバー、レストランなどの飲食店の2015年の市場規模は18兆6600億円です。これは前年比で+4%となっており、堅調に推移しているといえます。ただし、外食は景気の影響を非常に受けやすい市場であり、こうした成長路線はあくまでアベノミクス効果などからの短期的要因が考えられます。

注意しなくてはならないのは、ここ20年ほどの長期的スパンで見れば、市場は1997年をピークに縮小を続けているということです。日本の人口そのものが減っているため、今後もこうした状況は変わらないものと予想されていますが、一方で業界の規模(参入事業者)は増加の傾向にあります。

これが前述のとおり、競争の激化につながっていることは間違いありません。こういった状況のなか、各企業は新店の積極的な展開とあわせて不採算店舗の閉店や業態転換などの効率化をこれまで以上に進めています。

今後を考えるうえで役立つキーワード

さて、そうした状況のなかで生き残っていくためにも、先にも述べたように世の中の動向に敏感に反応していくことは欠かせません。今後の展望を予想するのに役立つキーワードを以下にご紹介します。

「TPP」の影響
TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定の略で、アメリカやシンガポール、オーストラリアなどとの環太平洋地域の国々の経済の自由化を促進する協定です。2017年にはトランプ政権となったアメリカがTPPの離脱を決定したことが話題となりました。

大国アメリカが離脱したものの、参加表明国は多く、対象となる多岐にわたる品目には多くの食品も含まれています。外食産業では調達コストの低減につながり、より低価格で提供できるなど期待されています。

軽減税率導入による「中食」需要の増加
TPPと並んで外食産業への大きな影響が懸念されているのが、2019年10月に延期となった消費税増税です。外食は消費税が10%となるため影響が懸念されています。この一方で注目されているのが軽減税率です。

軽減税率では、飲食店で注文して食べると10%の消費税がかかるのに対し、テイクアウトすれば8%となるため、家で食べた方が安上がりということになり中食需要が増加すると見られています。軽減税率は生鮮食料品や宅配などに適用される見通しです。飲食店にとっては、軽減税率導入を自宅で店の味を楽しんでもらう好機と捉え、来るべき日に備えて、準備をするのもひとつの手です。

また、中食の増加は高齢化する日本社会の現状にもマッチしています。外出が困難だったり、自炊しようと思っても量が少ないため宅配サービスを利用した方が安上がりになるような高齢者が今後も増えていくことがその背景にあります。

「第六次産業」の拡大
ここ数年は「第六次産業」と呼ばれる新しい産業の形が注目されています。これは、「第一次産業」のにない手である農作物の生産者が自ら加工(第二次産業)と流通(第三次産業)も手がけることです。例えば、トマトを作っていた農家がそのまま自社で加工を行い、トマトを使ったメニューを看板にしたカフェを開業する、といったスタイルです。事業者としては、カフェに作物の直売所を併設して相乗効果で売上を高めることができる、従来は形が悪くて買い取ってもらえなかった作物の有効活用ができる、などのメリットがあります。

農家がこうした形で事業を展開した場合、作物の生産からお客さまへの提供までを一貫して自社で行うので最初の事業コンセプトを達成しやすいのですが、その反面で、加工技術や店舗経営のノウハウがないことが大きな課題となります。

このため、レストラン経営者など外食の専門家にアドバイスを仰ぐことが多いようです。飲食店経営者にとっては、単なる競合としてだけではなく提携やコンサルタントとして事業に携わるチャンスがあるという側面もあります。

外食業界を取り巻く環境は刻一刻と変化しています。アンテナを高くして世の中の流れに注目することが、お客さまをひきつけ続けるお店のヒントになるかもしれません。

(※一部内容を変更しています。2017年6月8日)

参考:
飲食業界 基本情報|業界動向
平成26 年外食産業市場規模推計について|一般社団法人日本フードサービス協会
フードビジネスとは 市場規模と今後の展望|マイナビ
第六次産業の取組事例集 1個別の農林漁業者による取組|農林水産省
2015年/01/01外食業界2014年の動向を振り返る/時代に変化する顧客ニーズを読む|エーエフディーコンサルタンツ株式会社

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    明日のレストラン編集部

飲食店で働くすべてのみなさまのため、今日より明日さらに繁盛させるためのノウハウなど、すぐに役立つ情報をさまざまな角度からお届けします。