2015年の飲食業界のトレンドを振り返る―「肉」「ハイブリッド」「ちょい吞み」―

年始の慌ただしさも落ち着いてきた今日この頃。ここで昨年2015年のトレンドから人気の秘密を探りつつ、今年の動向を予想してみましょう。

肉ブーム到来!

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2015年で目立ったのは、「牛肉」をこれまでとは違った形で提供するお店の人気です。例えば、低価格の厚切りビッグサイズステーキなど、良質な牛肉を手頃な価格で提供していることがポイントです。ここで注目すべきなのは、「牛肉」といってもしゃぶしゃぶやすき焼きで人気だった霜降り肉ではなく、主役はむしろ赤身肉だという点です。

背景には、ダイエットには不向きなイメージがあった肉が、実は部位によってはヘルシーという認識が広まったことがあります。長年日本ではいい肉は霜降り、というイメージがありましたが、最近人気になっている赤身肉は脂肪分が少なく、また鉄分も豊富に含まれているため、女性からの人気も高まっています。

また、厚生労働省が策定している国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針「健康日本21 第二次」では、高齢者の低栄養の改善が記されています。高齢者ももっと肉をはじめとするタンパク質を食べることが推奨されるようになりました。

以前からの流れである健康食ブームや、若い人から高齢者までより幅広い世代をとりこめていることを見ても、しばらくは肉ブームが続きそうです。

グルメもスイーツも「ハイブリッド」が豊作

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 2つのメニューを合体させた「ハイブリッドグルメ」も2015年の流行でした。「クロワッサンたい焼き」、「デニッシュドーナツ」、「つけナポリタン」など、馴染みの味が新感覚になって人気を呼びました。

それぞれ単体でも十分おいしいものが、2つの良いとこどりでさらにおいしさが倍増する。ここが「ハイブリッドグルメ」のおもしろさです。「クロワッサンたい焼き」など、2つが一緒になると名前の響きも斬新で、どんな味になるのか想像するだけでわくわくしますよね。1つのメニューで2つ分楽しめるというお得感もあります。そのような理由が、消費者の心をつかんでいるようです。

実は、この「ハイブリッドグルメ」は世界中で流行しているようです。ロサンゼルスではベトナム料理のフォーとメキシコ料理のブリトーを組み合わせた「フォーリトー」、ニューヨークではクロワッサンとベーグルを合わせた「クレーグル」など、次々と新しいメニューが誕生しています。別の食べ物を掛け合わせること自体は、新メニュー開発の手法としてはオーソドックスなものでもあるので、今後もさまざまな掛け合わせでヒットすることが十分予想できます。例えば旬の食材を使った今だけの掛け合わせメニューや、ハロウィンやバレンタインなど季節限定メニューの掛け合わせなど、うまくお客さまの試してみたい!という気持ちをかきてることで、思わぬメニューが誕生することもあるかもしれません。ぜひ、いろいろな掛け合わせを試してみてください。

「ちょっと」「ついで」が消費者の心をつかむ!

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景気は回復しているものの消費税増税などもあり、2015年も消費者の節約志向はなかなか抜けきりませんでした。そんな中でも、牛丼屋やファミレスでの「ちょい吞み」や、コンビニドーナツの「ついで買い」などは消費者の購買意欲を刺激しています。この「ちょっと」と「ついで」に飲食業界の次なるトレンドのヒントがあるようです。

まず、ここ数年人気を集めているのが「ちょい呑み」と呼ばれるスタイルです。これは居酒屋やバー以外の飲食店で食事をしながら軽くお酒を味わうことです。ちょい呑みなら気取らずに家で飲むのに近い感覚でお酒を楽しめます。節約したいけれどたまには外でも飲みたい。そういった時代のニーズに合っているようなので、これから新たに取り組みを始める企業も増えそうです。

また、コンビニのレジ横に並ぶドーナツで人気を集めたのが「ついで買い」です。手頃な価格帯、「レジ横」の時間的制約から衝動買いしやすいこと、コンビニで揚げたてのドーナツが買えるという目新しさなどが人気の理由でした。飲食業界でもお客さまが“ついでに”注文してしまう工夫は有効だと言えます。ファミリーレストラン業界では、コンビニドーナツと同じくレジ横に子供向けのおもちゃなどを置いて客単価アップを狙う手法が古くから取り入れられています。これだけでなく、ワインを注文するお客さまにはチーズやナッツが割引価格で提供されたりといった「セットもの」のアイデアも十分取り組む価値があります。ポイントは単体でメニューに載せても気がつきにくい商品を「ついでに、まぁいいか」と思わせるシチュエーションづくりと単価設定にあると言えます。

 

「肉」「ハイブリッド」「ちょい吞み・ついで買い」をキーワードに、2015年のトレンドを振り返ってみました。共通しているのは、もともとあったアイテムに「お得感」や「目新しさ」をプラスして売り出したこと、と言えるのではないでしょうか。いつものメニューも、形や見せ方を変えるだけで、おしゃれだったり、もっとおいしかったり、新鮮だったりします。メニューを変えずとも、お客さまの心をつかむ新しい仕組みやしかけで売上アップを狙っていきましょう!


参考:

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