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2017年6月12日

リピーターが増える! おもてなし歳時記〜二十四節気の旬の食材と話題【夏至の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

二十四節気(にじゅうしせっき)とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「夏至」とは

夏至【げ-し】 2017年は6月21日〜7月6日

2017年の「夏至」の始まりは、6月21日。この日は、太陽が1年でいちばん高い位置に達して、昼がもっとも長くなります。関東地方の場合、日の出は4時半ごろ、日の入りは19時ごろで、昼が14時間半。昼がもっとも短い「冬至」は、同じ関東地方で昼が9時間45分ぐらいなので、昼の長さが5時間近く違います。ただ、実際には梅雨の真っただ中なので、昼の長さはあまり実感できません。雲の向こう側でケナゲに頑張ってくれている太陽に思いをはせ、人から見えないところで努力する美しさをあらためて感じてみるのも一興ですね。

「夏至」においしい野菜-キュウリ

湿度が高くて暑さが日に日に増していくこの時期は、身体のむくみやだるさに悩まされがち。キュウリは利尿作用があるカリウムや疲労回復に効果があるビタミンCがたっぷり含まれているので、それらを解消してくれます。また、酢を加えて調理すると、ビタミンCが壊れません。酢を使ったキュウリのサラダや和え物のメニューを用意して、カリウムとビタミンCの効果を説明しながら、お客さまにお出ししてみてはいかがでしょう。ちなみに語源は「黄瓜(きうり)」で、いつも食べている緑色のキュウリは黄色く熟れる前の状態です。

「夏至」においしい野菜-ズッキーニ

キュウリに似ていますが、じつはカボチャの仲間です。キュウリと同じく疲労回復に効果があるビタミンCや、免疫力を高める効果があるカロテンが豊富。油との相性が抜群に良くて、いっしょに食べるとカロテンの吸収率もアップします。オリーブオイルで焼いて塩を振り、ニンニクと赤唐辛子を加えたペペロンチーノ風はお酒のおつまみにピッタリ。小麦粉、溶き卵、パン粉の順にころもをつけてオリーブオイルで揚げたフリットも絶品。よく見る緑色のものだけでなく、黄色のズッキーニを混ぜて使うと見た目も華やぎますね。

「夏至」においしい魚-イワシ

梅雨になると熱い視線を集めるのが、イワシ。「梅雨鰯」「入梅鰯」といった呼び名もあるぐらい、この時期のイワシ、とくにマイワシはよく太っておいしくなります。イワシが持つ豊富な栄養素で特にうれしいのが、血液をサラサラにする「エイコサペンタエン酸(EPA)」や、頭をよくすると言われている「ドコサヘキサエン酸(DHA)」。食わず嫌いの人も多いイワシですが、「えー、イワシか……」と難色を示されたら、ことわざに引っかけて「イワシのおいしさも栄養も信心から。だまされたと思って食べてみてください」とおすすめしてみましょう。

「夏至」に役立つ豆知識
-「五月雨」と「五月晴れ」

「五月雨(さみだれ)」と「五月晴れ(さつきばれ)」は、じつはこの時期の天気を表わす言葉。しかし、すっかり誤解が広がっています。「五月雨」は、降ったりやんだりする弱い雨のことではなく、梅雨の雨のこと。「五月晴れ」も、初夏の爽やかな晴れのことではなく、控えめに青空が見える梅雨の晴れ間のことです。これらに当てはまる天気の日には、お客さまに「ほんとは、こんな降り方を『五月雨』って言うらしいですね」、「今日のような空が本来の『五月晴れ』らしいですが、ピンときませんね」と話しかけてみれば、インテリジェンスを感じさせる接客ができるかもしれませんね。

「夏至」のおもてなし-バーチャル茅の輪くぐり

1年のうちちょうど半分が終わる6月30日は、多くの神社で「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行なわれます。「茅の輪(ちのわ)くぐり」をして穢れを祓い、無病息災を願う行事。八の字を描くように輪を3回くぐります。6月末には、オニオンリングと枝豆で「輪くぐりセット」を用意して、お客さまにお皿の上で「バーチャル茅の輪くぐり」をしてもらうのはどうでしょう。「これで今年の夏は無病息災で過ごせますよ」と言えば、きっと喜んでもらえるはず。

「夏至」に使いたいワンポイント会話例

お客さまとのちょっとした会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

今日見たら、軒先のツバメの巣が空っぽになっていました。無事に巣立ってくれてよかったです。

秋は「夜長(よなが)」って言いますけど、この時期は「短夜(みじかよ)」って言うらしいですね。なんか、がんばって早く盛り上がらなきゃって気になるのは私だけでしょうか。

アジサイがきれいな季節になりましたね。このあたりだと、○○寺や△△公園のアジサイが人気らしいですよ。

次回は「小暑」をご紹介します。

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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