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連載
2018年7月18日

河野祐治の大繁盛への道【12】業態リニューアル 5つの鉄則

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せっかくお店をオープンしたのに、採算が合わないままだったら……。そうなったとき、メニューやサービスの見直し、販促活動など改善策はさまざまです。そのなかの選択肢の一つとして、業態リニューアルも考えてみましょう。今回はこの業態リニューアルについて、河野先生におうかがいしました。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1.業態リニューアルで行なうこととは?

まず、現状のお店のコンセプト、業態、メニュー構成など、取り組んでいることが立地や客層と合致しているか振り返りましょう。それが合っていないため集客できない、売上げが上がらないなどに悩まされてしまいます。
業態リニューアルで行なうことは、①メニューの見直し、②ファサードの改装、③店名やショルダーネームの変更などです。

①メニューと、②ファサードに関しては、過去お話したこと(メニュー開発 6つの鉄則/ファサードづくり 5つの鉄則)を参考にしてください。
 
③の店名の変更は、店名の漢字を平仮名にする、アルファベットを日本語にするなど、よりわかりやすい表記にするのも一つ。またショルダーネームとは、店名の形容詞です。例えば「何屋であるか」を明確に伝える文言を付け加えるだけでも、リニューアルの一つとして有効でしょう。

その2.業態リニューアルで理想の客層を掴む!

私のコンサル事例より、とある寿司屋の例を挙げましょう。そのお店は住宅街に立地し、週末は家族連れが多く来店していました。店主にはきちんと料理の腕があり、それを求めて来るお客さまを大切にしたいと考えていました。しかし、そうした理想のお客さまが来店しても、隣でタバコを吸われたり、ファミレス化していたことで、客離れを起こしていることが問題だったのです。

そこで喫煙を全面禁煙にし、メニューを値上げしました。結果として家族客よりも、食事とお酒をしっかりと楽しんでくれるお客さまがつくようになりました。来店客数は下がったものの、客単価も客単価も倍増。1人1人のお客さまと向き合える時間も増えるなど、いいこと尽くめだったのです。

その3.業種ではなく業態を変える!

業態リニューアルに関しては、そもそもなぜリニューアルすべきかという根拠が必要です。寿司屋の例で言えば、理想とするお客さまを離さないようにするのが目的。

ただリニューアルですから、業種を変えてはいけません。業種とは「何屋であるか」ということ。寿司屋で言えば、立ち食いや回転寿司といった売り方の違いが業態となります。和食でうまくいかなかったので、洋食に変えようといったリニューアルはありえませんよね? そのため変えるのは売り方、つまり業態なのです。例えば総合居酒屋から日本酒と魚介を専門にした居酒屋にするなど。今は専門特化の流れがあるので、何か突出したコンセプトを立ててみるのもいいと思います。

そして一気に変えるのではなく、徐々に時間をかけて変えていくのがよいでしょう。前出の寿司屋では、まず1万円のコースを入れてみて、お客さまの反応を見る。その後、お子様ランチなどのメニューを削っていき、半年ほどかけてメニュー内容を変え、成功させました。

その4.リニューアル前には分析を優先

業態リニューアルにとりかかる際は、お店の現状分析から始めましょう。まずはメニューの中で売れているもの、売れてなくても自信があるものなどを精査します。業態リニューアルとは、現状のABC分析(※)結果を、理想の出方に近づけることなのです。

商品以外には、営業時間、定休日が適正かも、今一度見直してみましょう。
分析を終えたら、勝負できる自店の強みを洗い出します。これはコンセプトづくりの基本部分なので、過去記事(コンセプトづくり 5つの鉄則)を参考にしてください。

注意すべきは、業態としてのトレンドや流行に乗っからないこと。メニューにトレンドを取り入れるのはいいですが、20年、30年続くお店づくりを目指すために、業態トレンドに乗ってはいけません。

ABC分析
材料や製品などの管理に使われる分析手法。売上占有比率を集計、メニュー改定などに用いる。

その5.リニューアル告知はサイレントで!

リニューアルの告知は大々的にする必要はありません。例えば禁煙にする場合、店内に張り紙をする程度でよいのですし、メニューも店内かSNSで宣伝するくらいでよいのです。

リニューアルや新規開店の場合に、サイレントオープンの方がいい理由は、最初に悪い噂が出てしまうと信頼を回復しにくいため。オペレーションが確立されたチェーン店はいいですが、個人店では難しいと考えてください。いきなり短距離走で集客するのではなく、オペレーションに慣れながら売上げを上げるのが理想なのです。(構成:虻川実花)

■河野先生の連載一覧はこちらから
【1】繁盛店視察の6つの鉄則

【2】コンセプトづくり5つの鉄則

【3】人材育成 5つの鉄則

【4】メニュー開発 6つの鉄則

【5】ファサードづくり 5つの鉄則

【6】緊急企画! ドタキャン・ノーショウ対策5つの鉄則
【7】ネット販促 5つの鉄則
【8】インストアプロモーション 5つの鉄則
【9】歓送迎会で勝つ 4つの鉄則
【10】値上げで勝つ 5つの鉄則
【11】アルコールを売る5つの鉄則
【12】業態リニューアル 5つの鉄則
【13】立地・物件選び 5つの鉄則

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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