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連載
2018年6月5日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【芒種の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「芒種」とは

芒種【ぼう-しゅ】2018年は6月6日~6月20日

芒種の「芒(のぎ)」は、米や麦などイネ科の植物の穂先にある細い部分のこと。今はもっと早い時期ですが、昔は芒種の頃に田植えを行ないました。暦の上での入梅は、2018年は6月11日。実際の梅雨入りは、近畿が6月7日頃、東海や関東甲信が6月8日頃、北陸や東北南部が6月12日頃が「平年並み」です。今年は平年並みか、やや早めになりそうな予報だとか。梅雨は「つゆ」と読んだり「ばいう」と読んだりします。「梅雨入り」「空梅雨」は「つゆ」、「梅雨前線」は「ばいう」など、どう読むかはペアを組む単語次第。梅雨という熟語をじっと見つめて、相手に合わせて自分をアレンジする柔軟さを学びましょう。

「芒種」においしい果物-メロン


高級なものからリーズナブルなものまで、いろんなメロンが出回り始めました。栄養に関しては、値段は関係ありません。利尿効果があるカリウムは高血圧を予防し、ペクチンは腸内を活性化すると言われています。魅惑の甘味の元になっている糖分は、吸収が早くてエネルギーになりやすいのが特徴。朝食に食べれば、元気ハツラツな一日を過ごせるでしょう。値段にかかわらず「朝からこんな贅沢を!」という貴族気分にもひたれそうです。じつは、もっとも甘味が強くて栄養がぎっしり詰まっているのは、ワタや種の部分。サワーに入れたり裏ごししてゼリーにしたりして、とことん味わいたいものです。

「芒種」においしい魚介-タコ

タコ焼きには欠かせないタコ(当たり前ですね)は、6月から8月頃が旬。タコ焼きだけではありませんが、日本は世界でもっともたくさんタコを食べている国です。イカと同様、低カロリー高タンパクで、動脈硬化の予防や肝機能の強化に効果があると言われているタウリンが豊富。おいしくて栄養もたっぷりという偉大な存在なのに、「このタコ!」と人を叱ったりします。いつもくねくねしているせいで、侮られがちなのでしょうか。目上の人から「このタコ!」と叱られたときは、頭の中で勝手に「あっ、ホメられちゃった」と変換してしまうのも一興。あのくねくねした生き方も、見習う部分が大いにありそうです。

「芒種」においしい木の実-梅


「梅雨」の語源は諸説ありますが、「梅の実が熟すころに降る雨」もそのひとつ。梅は梅雨の雨に当たって、黄色い完熟の状態になります。この時期は、梅干や梅酒などを仕込む「梅仕事」が楽しみという人も多いでしょう。去年作った梅酒が、ほどよく熟成して飲みごろになる時期でもあります。梅酒をたくさん飲めば、あわてて結果を求めず、時間をかけて作り上げていく大切さを感じ取れるかも。男女関係もお客さまとの信頼関係も同じですね。梅に含まれるクエン酸などの有機酸は、胃腸の働きを活発にしたり疲労を回復したりする効果があります。二日酔いというしっぱいも、すっぱい梅に救ってもらいましょう。

「芒種」にちなんだおもてなし
-「父の日」にちなんで「お父さん」をバラで歓迎しよう

「父の日」は6月の第三日曜日。今年は6月17日です。5月の「母の日」に比べるとないがしろにされがちだけに、一週間ぐらい前から特別フェアを始めて、「お父さん」のお客さまに感激してもらいましょう。「母の日」はカーネーションですが「父の日」はバラです。バラの花そのものを差し上げるもよし、ローズティや薔薇のジャムを用意するもよし。あるいは、豚バラと大根の煮物を無料サービスにして、「なんで?」「いや、父の日はバラなので」「な、なるほど……」という強引な展開に持っていくのも、またよしです。ただし、「お子さんから何かもらいましたか?」という質問は、迂闊に投げかけないほうがいいかも。

「芒種」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「そういえば最近、カタツムリがいませんよね。カタツムリがゆっくりはっているのを見るたびに、急がなくてもいいんだよって励まされているみたいな気になってたのに」

「あそこのお寺の前の紫陽花(アジサイ)、見ましたか。紫陽花って同じ根っこでも花の色が違ったり、時間がたつと変わってきたりして不思議ですよね。その分、見てて飽きないですけど」

「テレビでやってましたけど、ホタルの季節ですね。でも、実物はもう長いこと見てないなあ。同じゲンジボタルでも関東と関西で光り方が違うんですってね。というわけで、今日のお通しはホタルイカの酢味噌あえです。ホタルつながりで」

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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