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連載
2018年5月16日

リピーターが増える! おもてなし歳時記~二十四節気の旬の食材と話題【小満の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「小満」とは

小満【しょう-まん】2018年は5月21日~6月5日

暖かい日が続いて草木がグングン伸び、生き物が活発に動き出します。麦の穂も実り始めて、誰もが安心したり少し満足したりすることから「小満」と名付けられました。二十四節気には「小暑」とくれば「大暑」、「小寒」とくれば「大寒」など「大小コンビ」がいくつかあります。しかし「小満」はあっても「大満」はありません。小さく満足するのはいいとして、大きく満足してしまうと、努力がおろそかになったり足元をすくわれたりします。「大満」がないのは、そんな教えの表われかも。「今は小満の時期だな」と思い出すたびに、無暗に大きな満足を求めず、小さな満足に喜びを見出す大切さをかみ締めましょう。

「小満」においしい野菜-タマネギ

新タマネギも産地によってはまだ出回っていますが、季節を問わず安くておいしいのがタマネギの偉大なところ。この時期は急に気温が高くなる日も多く、疲労がたまりがちです。疲れを感じた日はタマネギを使った料理がオススメ。タマネギに含まれる硫化アリルは、ビタミンB1の吸収を助けて疲労を回復させ、体力や気力を高めてくれます。血液サラサラ効果も硫化アリルのおかげ。いっぽうでタマネギを切るときに涙が出てしまう原因は、気化した硫化アリルが涙腺を刺激するからです。タマネギがもたらしてくれるパワーや元気は、涙を乗り越えたからこそつかめると言えるでしょう。人生もしかりですね。

「小満」においしい魚介-イカ


魚介類で日本でもっともたくさん獲られているのは、何を隠そうスルメイカです。一年じゅうお目にかかれますが、よりおいしく食べられる旬は5月から9月頃。身を細く切って生で食べるイカそうめんは、スルメイカの真骨頂です。本物の素麺もおいしい季節になってきたので、ミックスダブルスですすってみてはイカがでしょう。イカの栄養で注目したいのが、コレステロール値を下げ、肝機能の向上や疲労回復に効果があると言われているタウリン。栄養ドリンクでもおなじみの成分ですね。疲れたときには栄養ドリンクもいいけど、スルメをかじっても効果があるんじゃなイカという気がします。

「小満」においしい果物-サクランボ


夏の始まりを告げてくれるサクランボ。国内の生産量は山形県が7割以上を占め、そのまた7割が「赤いルビー」と言われる「佐藤錦」です。大正時代に同県東根市の佐藤英助さんが、根気よく品種改良を重ねて甘さと日持ちの良さの両立を実現しました。名付け親は佐藤さんの友人で苗木商を営み、「佐藤錦」を広く普及させた岡田東作さん。佐藤さんは「出羽錦」はどうかと提案しましたが、岡田さんが「発見者の名前を入れた『佐藤錦』がいい」と主張したとか。「甘くて砂糖のようだから」という意味もあるそうです。佐藤錦を食べるときは、赤い粒に詰まっている友情の物語とダジャレスピリッツも味わいましょう。

「小満」にちなんだおもてなし
     -「小麦」と「衣更え」に関連したフェアに挑もう

「小満」の由来は、麦の実りと深い関係があります。また、6月1日は制服のある学校や職場では、冬服から夏服に変わる「衣更え」の日。麦と衣更えの両方に関連づけられそうなのが、天ぷらやフライです。揚げ物を包んでいるのは、そう、麦からできる小麦粉やパン粉。「衣更えフェア」とうたって、エビ天をエビフライにしたり、豚カツを豚天やピカタにしたりなど、衣をかえたメニューをお出ししてみましょう。クレープの生地の味や餃子の皮の大きさに変化をつけて、「衣更え」につなげるのも一興。それはそれとして、スタッフの制服やお店の内装も、一気に違う雰囲気に変えてみるチャンスでもあります。

「小満」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「今日もいい天気で、まさに『風薫る』って言葉がピッタリですね。あの『薫る』は、なんか匂いがするっていう意味じゃなくて、生命力を感じるぐらいの意味らしいですよ」

「まだ梅雨じゃないのに、ここ何日かよく降りますね。5月中旬から下旬の頃に先走って長雨が降るのを『走り梅雨』って言うらしいけど、あわてて走らなくていいのに」

「6月4日はムシだから『虫歯予防デー』っていうのは、大人になっても忘れませんよね。学校でポスター書いたり標語考えたりしませんでしたか。当時は磨け磨けってうるさく言われて面倒臭かったけど、おかげで歯磨きする習慣がついたからありがたいですよね」

次回は「芒種」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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