飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2018年4月17日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【穀雨の巻】

この記事をシェアする

「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「穀雨」とは

穀雨【こく-う】2018年は4月20日~5月4日

「穀雨」とは、穀物を潤す雨のこと。この時期の雨は、作物を成長させるうえで欠かせません。湿った畑は種まきに最適だし、多くの地域で田植えも始まります。降ったりやんだりする雨は「春時雨」、しとしとと静かに降る雨は「春雨」、菜の花が咲くこの頃の長雨を「菜種梅雨」と呼ぶなど、雨にまつわる言葉も豊富。いつも以上に雨の風情を楽しみ、雨に深く感謝したいところです。5月2日は八十八夜。この日に摘んだお茶を飲むと、健康長寿のご利益があると言われています。いつ摘んだお茶かわからなくても、この日にお茶を飲むこと自体が縁起がいいという説もあるので、そのへんは都合いいほうを信じましょう。

「穀雨」においしい芋-ジャガイモ

「新じゃが」が出回り始めました。水分が多くて皮が薄いのが、新じゃがの特徴。栄養やうま味は皮の近くに多く含まれています。皮つきでフライドポテトにするなどして、魅力を味わいましょう。ビタミンCやカリウムなど嬉しい栄養がたっぷりで、しかもカロリーは同じ量のご飯の半分という点も見逃せません。新じゃがは毒素を含んでいる芽が出やすいのが難ですが、芽が出る直前がジャガイモの食べ時でもあります。人間も芽が出てしまうと、みずみずしさがなくなったり毒を吐いたりしがち。仕事でなかなか芽が出なくても「今がいちばんいい時期なんだ」と受け止めるのが、大人のたくましさと言えるでしょう。

「穀雨」においしい貝-アサリ


この時期のアサリは、産卵前で身が殻いっぱいに詰まっていて味も格別。いろんな栄養がぎっしりですが、とくに鉄分とビタミンB12が豊富で貧血予防や二日酔い対策に効果が期待できます。身近な存在で見た目の派手さにも欠けるせいか、実力やありがたみを忘れられがち。しかし、おいしさといい栄養といい用途の広さといい「貝の最高峰」と言っても過言ではありません。あさりを食べながら、身近にいる人のすごさや置かれている環境のありがたさについて、あらためて考えてみるのも一興です。とはいえ、唐突にお礼を言っても、相手は「ど、どうしたの?」と戸惑って、アッサリ流されるかもしれませんが。

「穀雨」においしい食品-お茶


「新茶」は、その年の最初に摘んだ新芽で作ったお茶のこと。日本一の産地である静岡県では、4月中旬ごろから新茶が登場します。渋みや苦みが少なく、さわやかな香りがあるのが新茶の特徴。やや熱めのお湯でさっと淹れると、ほどよい渋みと香りを楽しめます。70度ぐらいのぬるめのお湯でじっくり淹れて、うま味を楽しむのもオツ。お茶には、コレステロールの低下やがん予防に効果があるとされるカテキン、各種ビタミン、気分をシャッキリさせるカフェインなど、身体に嬉しい成分がたくさん含まれています。いっしょに飲むことで相手との距離を縮めてくれるのも、お茶が持つ大きな力と言えるでしょう。

「穀雨」にちなんだおもてなし
-お茶とお米を活用した「八十八夜ウィーク」を開催

5月2日の夏も近づく「八十八夜」は、立春から数えて八十八日目に当たる日のこと。八十八を組み合わせると「米」になることから、農業にとって大切な日とされています。時期が重なるゴールデンウィークと合わせて、お茶とお米を活用した「八十八夜ウィーク」を開催するのはどうでしょう。いろんな地域の新茶はもちろん、茶葉の天ぷらや茶飯など、お茶を使ったメニューも用意すればインパクト抜群です。豆ごはんやレタスチャーハンなど、旬の食材を生かした期間限定のお米メニューも喜ばれるでしょう。「タピオカ88個(たぶん)入りグリーンティー」をお出しして、実際の数を数えてもらう手もあります。

「穀雨」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「新じゃがの季節ですけど、肉じゃがはジャガイモの形を残す派ですか、それとも煮崩れ派ですか? 使う肉も地域によって違いますけど、豚派ですか牛派ですか?」

「最近は、コンビニあたりが『春の土用の丑』も言い出してますね。今年は4月27日で、夏の土用の丑と同じように、うなぎやうどんなど『う』のつくものを食べると縁起がいいとかどうとか。いやあ、いろいろ考えますね」

「5月のことを『皐月(さつき)』って言いますけど、早苗を植える月だからそう名付けられたんですって。『皐』の字は、白い光が出ている様子を表わしているそうです。この季節にピッタリですね」

次回は「立夏」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

■おすすめ記事

裏メシ!まかない探訪記【1】金の独楽の牛スジカレーは母の味


ドクター石原の大人の接客力講座 ―「困った!」に効くコトバの特効薬【2】お客さまにやんわりビシッと注意する


岡本まーこ「制服コレクション」02 吉祥寺では餃子祭りが毎日開催!?

この記事をシェアする
旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

おすすめ5選

新着記事