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連載
2018年4月1日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【清明の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「清明」とは

清明【せい-めい】2018年は4月5日~4月19日

新しい年度がスタートしました。街では新入生や新社会人など、初々しいフレッシャーズがまぶしい輝きをはなっています。「清明」は「清浄明潔」の略。二十四節気の中で、もっとも清々しく華やかな字面と言っても過言ではありません。中国では「清明節」を季節の区切りとしてお祝いし、みんなで祖先の墓にお参りして墓前でご馳走を食べる風習があります。それが18世紀ごろに沖縄に伝わり、「清明(シーミー)祭」として定着しました。同じように、お墓参りをしてご馳走を楽しみます。花が咲き草花が元気に伸び始めることも含めて、いろんな意味で「セイメイ」のありがたさを感じる時期と言えるでしょう。

「清明」においしい魚-カツオ


同じカツオでも、春の初ガツオと秋の戻りガツオでは味わいが違います。初ガツオは旨味はたっぷりでも脂が少ないので、たたきがオススメ。戻りガツオは刺身が最高です。「勝魚」とも書き、武運長久につながる縁起のいい魚とされてきました。脳の働きをよくするとされるDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれているので、実際に試験やプレゼンに勝つという効能もあるかも。ほかにも各種ビタミンや肝臓の機能を高めるタウリンなど、嬉しい栄養素がぎっしりです。カツオ節は世界一硬い食べ物。旨味も栄養もぎっしり詰まっているので、いろんな勝利を祈念しつつ、幅広いメニューに使ってみましょう。

「清明」においしい野菜-タケノコ


タケノコは漢字で書くと「筍」。まさに「旬の味」を代表する食べ物です。タケノコご飯、味噌汁の具、煮物、天ぷら、採れたてなら刺身で食べるのもオツ。豊富に含まれている食物繊維は、お通じをよくしてくれるだけでなく、体内の余分な脂肪や有害物質を排出する効果も期待できます。ちなみに「雨後の筍」という諺は、成長が早いといういい意味で使われることもありますが、それは間違った用法。本来は、似たような物事が次々と現われるという悪い意味です。スタッフに「君は雨後の筍のようだね」と言ってはいけません。

「清明」においしい食品-ハチミツ

あまり旬を意識することはありませんが、ハチミツの原料は咲いている花の蜜です。レンゲやアカシアのハチミツは、花が咲く春こそが旬と言えるでしょう。とはいえ、専門店や産地に行かないと出来たてのハチミツは手に入りません。しかし、スーパーで買ったハチミツでも「今が旬」と思って食べると、きっとひと味違うはず。ハチミツはビタミンやミネラル、ポリフェノールなど多種多様な栄養分がぎっしりで、疲労回復や若返りに効果があると言われています。せっかく買うなら、混ぜ物が入っていないことを示す「純粋」と表示されたものを選びましょう。原料の花ごとの味の違いを比べてみるのも一興です。

「清明」にちなんだおもてなし
   -いろんな「記念日」にちなんだ限定メニューを

1年365日さまざまな記念日があります。「清明」の時期を例に、記念日を利用したおもてなしを考えてみましょう。ほんの一部ですが、4月6日は「コンビーフ記念日」、10日は「パンケーキの日」(毎月10日)、12日は「パンの日」、14日は「オレンジデー」、16日は「トロの日」(毎月16日)、17日は「なすび記念日」、19日は「良いきゅうりの日」……などなど。「今日は○○の日です」と掲げて、たとえば6日の「コンビーフの日」なら、コンビーフのロールキャベツやコンビーフ入りにらたま、コンビーフとチーズのトーストなどを作ってみるのはどうでしょう。長く続けていけば、お店の名物になるに違いありません。

「清明」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「遠くに見える山が、だんだんホワホワした感じになってきましたね。この前、春の季語に『山笑う』っていうのがあるって教えてもらって、なるほどって感動しました」

「4月8日は、お釈迦様の誕生日を祝う『花まつり』ですね。子どものころお釈迦様の像に甘茶をかけましたが、したことありますか。お釈迦様が生まれたときに、天から龍が下りてきて甘茶をかけたんですって。私も頭から甘茶をかけたら、悟りをひらけるかな」

「そろそろツバメが飛んでくる季節ですね。もう見ましたか。去年は角のあのお店の軒先に巣を作っていたけど、今年はどうでしょうね」

次回は「穀雨」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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