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連載
2018年4月2日

河野祐治の大繁盛への道【10】値上げで勝つ 5つの鉄則

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コスト高が叫ばれる昨今、これまで通りの価格設定では経営が厳しく、値上げをしたいが踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、値上げの考え方から値上げで成功する方法について、河野先生にお聞きしました。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 商売は値下げが原因で潰れる?!

値上げの前にまず、価格の考え方についてお話します。よく飲食店で言われる「コスパ(コストパフォーマンス)」。皆さんは“絶対的な安さ”をコスパだと思っていませんか? これがそもそもの間違い。本来コスパとは、価値と価格を比べて初めて「コスパがよい/悪い」と判断されるものです。具体的には「コスパがよい=価値>価格」、「コスパが悪い=価値<価格」となります。

絶対的な安さをコスパと考えている人は、価格を変えず、あるいは下げるために量を減らすことで利益を出そうとします。これでは、価値を下げることにつながりかねません。商売は値上げで潰れるのではなく、多くの原因は値下げで潰れます。特に中小個人に「価格で選んでもらう」作戦はあり得ない。「価値で選んでもらう」しかないのです。

以上のことを念頭におき、値上げの具体的な対策を考えていきましょう。

その2 メニューリニューアルで価格改定を!

「お客さまが離れるのではないか」と、値上げに踏み切れない方も多いと思います。しかし昨今の食材の高騰や、人材不足による人件費の高騰などを理解している方も多く、値上げを許容してくれる雰囲気があります。言い換えれば、単純値上げをしやすい時期なのです。

一番いい値上げのタイミングは、メニューリニューアルです。現状のメニュー構成や品揃え、メニューの盛りつけや量を変え、値づけし直すのです。余裕があれば、メニューブックも価値が伝わりやすいデザインに刷新するとなおいいですね。

その3 オーダー数を上げ、客単価アップを狙え

客単価を上げるために、1品あたりの単価を上げるのはもちろんですが、オーダー数を上げることを考えましょう。

例えば前菜、メイン、締めの食事、甘味といったカテゴリーがあるとします。1カテゴリーから1〜2品、締めまで注文してもらうのが理想のオーダーパターン。このオーダーパターンへとお客さまを導き、客単価を上げることを考えます。そのためにはメニュー構成から1品あたりのポーション、品揃えを見直さなければなりません。

目指すところは、最後に会計したときに直感で感じる「心理的コスパの高さ」。前菜から締めまで注文してもらえ、価値を伝えることができれば、お客さまの満足度は非常に高くなります。

その4 目標は価格10%UP、価値30%UP!

値上げをしたところで、価値が伝わなければ客離れを起こしてしまいます。そのため、商品の価値を高め、伝えることを考えましょう。メニューのネーミング、盛りつけ、写真、メニューの簡単な説明、スタッフのサービストークなどで、こだわりを伝えます。

目標は「価格10%、価値30%アップ」。要するに「客単価が上がったのに、お客様からは『安い!』と言われる状態」が理想です。価格を上げた分以上に価値を高めることができれば、お客さまは多少の値上げを気にとめません。

その5 ストレスフリーな価格設定をする

お客さまはメニュー表の価格を見て、高いか安いかを判断します。一番高いメニューの価格から「このお店は高い/安い」という印象を持つのです。そのため、なるべく最高価格の値上げを我慢し、安い価格のメニューを値上げしましょう。

価格のバラツキはストレスの原因になります。10円、20円の差でバラツキを出さず、ある程度価格を揃えた方がよいでしょう。8揃えや100円単位で価格設定すると、よりお客さまのストレスを軽減することができます。

また旬の食材を使ったメニューに魅力を感じるお客さまは多く、売れる傾向にあるため、高めに価格を設定しても大丈夫です。旬食材は仕入れ値も低いですし、お店にとって優秀な商品となるので、ぜひ導入してください。
(構成:虻川実花)

■河野先生の連載一覧はこちらから
【1】繁盛店視察の6つの鉄則

【2】コンセプトづくり5つの鉄則

【3】人材育成 5つの鉄則

【4】メニュー開発 6つの鉄則

【5】ファサードづくり 5つの鉄則

【6】緊急企画! ドタキャン・ノーショウ対策5つの鉄則
【7】ネット販促 5つの鉄則
【8】インストアプロモーション 5つの鉄則
【9】歓送迎会で勝つ 4つの鉄則
【10】値上げで勝つ 5つの鉄則
【11】アルコールを売る5つの鉄則
【12】業態リニューアル 5つの鉄則
【13】立地・物件選び 5つの鉄則

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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