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連載
2018年3月8日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【春分の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「春分」とは

春分【しゅん-ぶん】2018年は3月21日~4月4日


寒さがゆるむとともに、日も長くなってきました。春分がスタートする「春分の日」は、昼の長さと夜の長さがほぼ同じになります。「春分の日」をはさんで、前後3日を含む7日間が「お彼岸」。昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われているように、もう分厚い上着は必要ありません。ここから半年のあいだは昼間が長めで気温も高く、積極的に活動しやすい時期。張り切ってあれこれチャレンジしましょう。春のお楽しみといえば、お花見です。日本気象協会が3月7日に発表した予想によると、今年の桜の開花は平年より早めで、予想開花日は東京都心が3月22日、大阪市が3月25日。腕まくりして待ちかまえましょう。

「春分」においしい野菜-キャベツ


やわらかい葉と鮮やかな緑色が魅惑的な春キャベツ。各種ビタミンや食物繊維をたっぷり含んでいますが、とくに注目したいのがキャベツから発見されたビタミンU。胃酸の出過ぎを抑え、胃の粘膜の新陳代謝を活発にするなど、胃や十二指腸を守ってくれます。もともと野生のキャベツは、葉っぱが外側に向かって開いていたとか。改良されて、13世紀ごろから今のような丸い形になりました。キャベツは丸くなることで、中心部にある花を守っています。大切なものを守るために「丸くなる」のは、キャベツも人間も同じですね。

「春分」においしい魚-シラウオ

歌舞伎のセリフにも隅田川で漁をしている光景が出てくるなど、シラウオ(白魚)は江戸の春の風物詩でした。日本の各地で獲れますが、宍道湖産が有名です。刺身や酢味噌和え、かき揚げ、卵とじ、汁物の具など、いろんな食べ方で春を実感しましょう。骨ごと食べるので、カルシウムをたっぷり摂ることができます。名前も外見もよく似た魚にシロウオ(素魚)がいますが、種類はまったく別。こちらは生きたままの踊り食いで知られます。シラウオと同じように、かき揚げや卵とじもたまりません。名前も外見もよく似たお客さまを混同しないトレーニングも兼ねて、ふたつの似た魚をじっくり食べ比べてみましょう。

「春分」においしい食品-卵


卵は季節を問わず出回っているし常においしいのですが、強いて言えば鶏の産卵期である春が旬です。社会人の卵が登場する時季だけに、あらためてその偉大さに着目したいところ。卵に含まれる多彩な栄養素は、成長促進から老化防止まで幅広い効果をもたらしてくれます。コレステロールの多さが問題視された時期もありますが、コレステロールを抑えるレシチンという成分も含んでいるので、さほど気にする必要はありません。無限のポテンシャルを持ち、短所を長所で打ち消して、料理では主役も縁の下の力持ちも求めに応じてきっちりこなす――。新人だけでなく中堅やベテランも、卵から学ぶことは多そうですね。

「春分」にちなんだおもてなし
  -「桜づくし」でお花見の延長戦を盛り上げたい

やはりこの時期は、春の象徴である「桜」を目いっぱい活用したいところ。桜にちなんだ飲み物やメニューを取りそろえて、お花見帰りのお客さまにも延長戦を楽しんでもらいましょう。山形の「出羽桜」や京都の「黄桜」など、銘柄に桜が付く日本酒はたくさんあります。「黄桜」が作った地ビールも人気。桜の花の塩漬けはデザートによく使われますが、鯛のカルパッチョやおにぎりにのせてもオツです。タコの足を煮たものは「桜煮」と呼ばれているし、桜えびのかき揚げやパスタ、桜餅も欠かせません。桜でんぶも、きっと何かの役に立ってくれるでしょう。お店にさりげなく桜の一輪挿しも飾れば完璧ですね。

「春分」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「土曜日(3月24日)でお彼岸も終わっちゃいましたね。最近はなかなかお墓参りに行けなくて。○○さんはどうですか?」

「もうすぐエイプリルフール(4月1日)ですね。実際に誰かにウソをつくのは難しいですけど、最近はいろんな企業が自社のwebで一日限定のウソっぱちなページを作ったりするじゃないですか。あれがけっこう楽しみで」

「古典落語の『長屋の花見』ってありますよね。あのお花見では、お茶がオチャケで、たくあんが卵焼きで、月型に切った大根がかまぼこでしたっけ。そうだ、3つをセットにした『長屋の花見プレート』を作ろうかな。……ウケそうにないですね」

次回は「清明」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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