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2018年1月30日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【立春の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「立春」とは

立春【りっ-しゅん】2018年は2月4日~2月18日

天気予報の決まり文句「暦の上ではもう春」でおなじみの「立春」。まだまだ寒さが厳しい時季ですが、冬至を過ぎてしばらく経ち、昼間が長くなったことや日差しの温かさが春の気配を感じさせてくれます。「立」は始まりという意味。実際は寒くてつらいからこそ、着実にいい方向に進んでいくという期待や希望が込められています。若くて元気な時代を指す「青春」は、元々は季節の春を表わす言葉でした。これから始まる春は(年齢に関わらず)「青春」を意識して、無謀を承知で新しいことに挑戦したり、かつて抱いていた青臭い夢を思い出してみたりするのはどうでしょうか。春は、すべての人に訪れます。

「立春」においしい魚-タイ

姿も味もいいタイは、昔から日本人に愛されてきました。「おめでたい」の語呂合わせから、縁起のいい魚としてもおなじみ。七福神の恵比寿様が釣っているのもタイです。タイ科のタイは国内に10種類ほどしかいませんが、イシダイやスズメダイなど、タイ科ではない「○○ダイ」は150種を超えるとか。それらは「あやかり鯛」とも呼ばれ、人気に便乗した存在と見られがち。しかし、本物のタイ以上においしいものもいるし、平たい形だから「タイ」と名付けられたという説もあります。お店や料理も同じ。最初は模倣や便乗と見られたとしても、持ち味や実力を磨いていけば、いつか必ずタイ輪の花を咲かせられます。

「立春」においしい野菜-ニラ


ニラは季節を問わず出回っていますが、もっとも味がよくて香りも強いとされているのは春先。岡山県では太陽光線を遮断して栽培する「黄ニラ」の栽培が盛んです。品種は青ニラと同じですが、やわらかさと独特の甘味が特徴で、旬は2月頃。2月12日は「黄ニラ記念日」です。「にっこりいいニラ」の語呂合わせなので、青ニラを食べてにっこりしてもかまいません。疲労回復に効果があるビタミンB1が豊富で、しかもニオイの成分である硫化アリルがビタミンB1の働きを高めてくれます。強いニオイを嫌う人もいますが、そこがニラの実力の源。野菜も人間も、個性を認めることが本当の力を引き出す第一歩ですね。

「立春」においしいお菓子-チョコレート


立春の時季に含まれる2月14日は、言わずと知れたバレンタインデーです。バレンタインデーだけで、チョコレートの年間消費量の20%が消費されているとか。チョコレートの原料のカカオ豆には、高血圧や冷え性の予防効果があるとされる抗酸化物質のカカオ・ポリフェノールが豊富に含まれています。また、カフェインの仲間のテオブロミンという成分が集中力や記憶力を高めてくれるので、仕事の能率アップにも効果抜群。バレンタインデーが過ぎたら、仕事中にちょくちょくチョコレートをつまむようにしましょう。能率がアップするだけでなく、「チョコをもらい過ぎて困っている男」を演出することもできます。

「立春」にちなんだおもてなし
-徹底的に「タイ」の語呂合わせを追求

上でも紹介しましたが、タイは立春の頃が旬。その縁起のいいイメージや「~しタイ」といった語呂合わのしやすさを生かして、さまざまなスペシャルメニューを用意するのはどうでしょうか。距離を縮めたいカップルには、タイのカルパッチョを竹串で突いて食べる「つき合いタイプレート」。一攫千金を狙いたいお客さまには、エビでタイが釣れるようにという願いを込めた「エビとタイのミックスグリル」。タイと出世魚のブリを組み合わせたお刺身の盛り合わせは、出世しタイと願っているお客さまにピッタリ。こんな調子でいろんな語呂合わせメニューを考えてみましょう。お客さまに喜んでいただきタイと願いつつ。

「立春」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「立春なので入口に『立春大吉』のお札を貼ってみました。4文字とも左右対称で裏から見ても同じなので、鬼が家に入ってから振り返ってこの札を見ると、まだ入ってないのかなと勘違いして逆戻りしてくれるとか。お客さまには逆戻りされると困りますけど」

「いよいよ春ですけど、この『春』の語源は、万物が『発(は)る』、草木の芽が『張る』、晴れが多いから『晴る』などなど、いろいろあるみたいですよ」

「2月8日は『針供養』ですね。折れたり曲がったりした針を、お豆腐やコンニャクに刺して、日頃の感謝や裁縫の上達を願うそうです。冷奴に爪楊枝でも指して、何か願い事をしてみましょうか」

次回は「雨水」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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