飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2018年1月31日

河野祐治の大繁盛への道【8】インストアプロモーション 5つの鉄則

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本連載5回目で「リアル販促のファサード」についてご紹介しました。今回はその先、入店後にお客さまの購買意欲をかきたてる「インストアプロモーション(店内販促ツール)」について、河野先生にお話をおうかがいしました。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 店外と店内で伝える情報を区分けする!

以前の記事で「店外(ファサード)では入店を躊躇する理由を払拭する」ことが必要とお話をしました。飲食店は、ウインドウショッピングができません。一方で、入店してもらえれば売上げが確定するため、入店を後押しするための情報を店外でアピールすることが大切です。

ポスターなどの販促物を作る際のよくある失敗は、伝えたいことを欲張って情報過多になってしまうこと。店外で見せるべき情報と、店内で見せればいい情報を正しく選別しましょう。ファサードはお店に入ってもらうことが目的で、商品を決めることが目的ではありません。逆を言えば、店外で見せるべき情報を店内で強調する必要もないのです。

そして店外で伝えきれなかった情報を、店内の壁や黒板、卓上ポップ、メニュー表などで上手に伝え、オーダー獲得を狙いましょう。

その2 「思わず注文しちゃった!」を狙え

メニュー表以外のインストアプロモーションでは、以下の2つが大事になってきます。

①+αのオーダーにつながる情報
ポップやポスターで、もう1品の追加オーダーを狙うためのもの

②価値を伝える情報
店主のこだわりを伝え、ブランディングするためのもの

例えば入口に券売機のあるラーメン屋で言えば、店内の壁に必ずオーダーするラーメンのポスターを貼るよりも、餃子やビール、杏仁豆腐など、気軽に追加オーダーできる商品のポスターを掲出した方が客単価アップを狙えます。さらに、ラーメンの素材や作り方などのこだわりを示すポップを打ち出すことで、ブランディングにつなげられます。

また、テーブルポップで有効なのはデザートのアピールです。居酒屋などでは「食べるぞ!」と意気込んでオーダーするより「思わず注文しちゃった」というのがデザート。そのためメニュー表以外に、テーブルポップでデザートをアピールできれば追加オーダーを獲得できます。

その3 価値は伝わってこそ初めて価値!

お酒や料理のこだわり、お店独自の差別化ポイントなどの価値を伝えることも、インストアプロモーションでは大切な役割となります。

使っている素材や調理の手間などの情報がなければ、価値を図る材料は価格しかありません。つまりお客さまは、絶対金額だけで「高い」「安い」の判断をしてしまうのです。

「価格だけ見ると高く感じるけど、ここまでこだわってるなら安いね」と思ってもらうためには、価値を伝えブランディングすることが重要。またブランディングができれば、お店に対する信用や信頼度が増します。

大切なのは「その価値がお客さまに伝わっているかどうか」です。伝わらない価値は単なる自己満足で終わってしまいますので、十分注意しましょう。

その4 スタッフが一番の販促ツール!

最も効果的な価値の伝え方は、スタッフの「人間力」です。

ツールで伝えられることはツールを活用しつつ、人間力でしかできないことは人間力を発揮させましょう。ここで言う人間力とは、お客さまとの会話です。これは内・中食にはない外食ならではのものであり、お客さまがお店を利用する動機のひとつでもあります。

お客さまとの会話のポイントは、自分の言葉で話すこと。「私はこっちの方が好みです」「僕が食べた印象は……」など、スタッフの感じたこと、伝えたいことを自分の言葉で話すことで、お客さまの印象もずっとよくなります。

こうした人間力を磨くためにも、スタッフには積極的にお客さまと会話をしてもらうよう努めましょう。また価値を正しく伝えるためにも商品知識を共有するなど、スタッフが自分から「お客さまに伝えたい!」となるような教育や指導も行なってみてください。

その5 こだわりを感じられる手書きメニュー

最後に、メニュー表についても軽くご紹介します。

おすすめしたいのは、手書きのメニュー表をつくることです。手書きメニューはグランドメニュー以上にこだわりが感じられますし、旬を伝えられる魅力があります。

特に常連のお客さまは「今日は何がそろっているかな?」と、グランドメニューよりも先に手書きメニューを見てくれることがほとんどです。そのためメニューが頻繁に入れ変わる居酒屋やバルなどでは、手書きメニューはグランドメニューと同じくらい重要なツールとなります。

壁のポスター、テーブルポップ、手書きメニューなど、店内でのアピール方法はさまざまあります。こうした店内ツールを駆使し、お店の価値や商品の魅力を正しく伝えることができれば、売上げアップにつなげられますよ。

■河野先生の連載一覧はこちらから
【1】繁盛店視察の6つの鉄則

【2】コンセプトづくり5つの鉄則

【3】人材育成 5つの鉄則

【4】メニュー開発 6つの鉄則

【5】ファサードづくり 5つの鉄則

【6】緊急企画! ドタキャン・ノーショウ対策5つの鉄則
【7】ネット販促 5つの鉄則
【8】インストアプロモーション 5つの鉄則
【9】歓送迎会で勝つ 4つの鉄則
【10】値上げで勝つ 5つの鉄則
【11】アルコールを売る5つの鉄則
【12】業態リニューアル 5つの鉄則
【13】立地・物件選び 5つの鉄則

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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