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2017年12月21日

飲食店専門! 石崎先生のよくわかる法律相談【11】ランチタイムだけ友人に店を貸したい。気をつけることは?

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店舗の貸借トラブル、スタッフの労務問題、お客さまからのクレーム・・・。飲食店の日々の営業の中で「法律的にどうなの?」「これって違法なの?!」と迷うことは少なくありません。法律はもちろんのこと、外食業界に精通した弁護士の石崎先生が、飲食店経営にまつわる悩みにズバリと回答をします。

相談:ランチタイムだけ友人に店を貸したい

本日の相談
バーを経営しています。

飲食店開業を考えている友人から、店が稼働しないランチタイムに1ヶ月程度の期間限定で店を貸してほしいと相談を受けました。自店とは違う店名を名乗って、ランチ営業をしたいそうです。

バーという性質上、本格的な調理設備がないため、自宅で仕込みをして、仕上げだけ店内で行う予定です。

貸すことで少しでも売上になればいいですし、自店の宣伝にもなると思います。何よりも友人の開業を応援したいので、引き受けたいのですが、法律上で注意すべきことはありますか。
(オーナー 30代 男性)

トラブルになりやすい転借。条件をしっかり決めましょう

石崎先生の回答
飲食店は稼働をあげてナンボですが、実際にはマンパワーなどの問題があり、常に営業するというのは困難です。そのため、最近では営業時間外に第三者に転貸して、そこから転貸料をもらうことで、店舗を空けたままにしないという方法も行われています。ご相談のケースもまさにそのようですね。

当たり前といえば当たり前ですが、こういうケースでまず確認しなければならないのは、元の賃貸借契約で、転貸が可能となっているかです。

元から転貸の話があったのであれば別ですが、一般的な賃貸借契約では、転貸は禁止されています。まずは、建物の賃貸人(大家さん)に連絡し、転貸の同意を取ることが必要になります。

床を汚したり、設備を壊したなど、転借人(ご友人)が何か問題を起こした時には、一般的な賃貸借契約では賃借人であるあなたが責任を取る必要があります。あなたが大家さんから損害賠償請求された場合、「転借人(ご友人)に請求してくれ」とはいえず、あなたがまず弁償して、それをあなたがご友人に請求することになるのです。

もちろん、大家さんとの関係だけでなく、ご友人との間でも注意しなければならないことがたくさんあります。転貸料の支払時期、光熱費の負担など、条件面に加えて、備品の取り扱いや、壊してしまった場合の負担についても定めておく必要があります。あなたが退去することになった場合の対応方法も決めておかなければなりません。

空き時間を埋められるし、手助けにもなると軽い気持ちで転貸をする方もいますが、居抜き物件同様、非常にトラブルになりやすいですから、一度、専門家に相談することをお勧めします。

■相談一覧
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【2】 寿司のネタだけ食べてシャリを残す。食べ方はお客さまの自由?
【3】アルバイトにペナルティって課せられる?
【4】自家製サングリアの提供ってダメなの?
【5】お子さんのケガ。これって店の責任?
【6】「お子さん入店お断り」は法律的にOKですか?
【7】突然の家賃の値上げ。従うしかないですか?
【8】スタッフがお客さま情報をSNSにアップ??
【9】店内でお客さまの持ち物が盗まれた? 店にも責任があるの?
【10】SNS に事実と違うことが書かれました。対応策を教えてください!
【11】ランチタイムだけ友人に店を貸したい。気をつけることは?

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石崎冬貴
この記事を書いた人

弁護士・社会保険労務士 弁護士法人横浜パートナー法律事務所(http://www.ypartner.com)所属 フードコーディネーターとしても活動し、法的支援を得ることの少ない小規模飲食店や飲食関連業者を支援するため、 飲食業界専門で法的支援を行っている。飲食店支援サイトも開設

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