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連載
2017年12月28日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【小寒の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「小寒」とは

小寒【しょう-かん】2018年は1月5日~1月19日

「小寒」から次の二十四節気「大寒」にかけてのおよそ30日は、一年のうちで寒さがもっとも厳しくなります。「小寒」の最初の日が「寒の入り」。そこから「小寒」と「大寒」の時期を合わせて「寒(寒中、寒の内)」と呼ばれます。相手の健康を気遣ってこの時期に送るのが寒中見舞い。喪中で年賀状が出せなかったり、バタバタしていて年賀状の返信が遅くなってしまったりした場合も、寒中見舞いが活躍してくれます。寒い時季だからこそ、人とのつながりや思いやりの温かさがいっそう身に染みるという一面も。寒中見舞いを出しながら、マイナスがあれば必ずプラスの要素もあることを再認識しましょう。

「小寒」においしい甲殻類-カニ


この時期のカニは、おいしさといい贅沢感といい、私たちに大きな幸せを与えてくれます。栄養面で注目したいのが、貧血予防に効果があるとされるビタミンB12が豊富に含まれていること。好きな人にはたまらないのがカニミソですが、もちろんはあれはカニの脳みそではありません。人間でいえば膵臓と肝臓にあたる部分です。栄養分を貯蔵するところなので、うま味が強いのだとか。エネルギーの元になるグリコーゲンもたっぷりです。カニミソのおいしさを知ってこそ大人。苦手だと敬遠する人には「カニはここを食べるのがミソなのに」と決めて、さらに念入りに大人っぽさ(オヤジっぽさ?)を見せ付けましょう。

「小寒」においしい肉-豚肉

とくに旬はありませんが、寒い季節は豚肉がいつも以上に活躍します。豚汁や鍋物など、野菜との相性が抜群。おいしいだけでなく栄養の面でも、豚肉に豊富に含まれているビタミンB1やタンパク質は、野菜の栄養素との相乗効果で真価をさらに発揮します。豚肉たっぷりの汁や鍋は、肉体的にも精神的にも、疲れを取り除いて明日への活力を与えてくれるでしょう。最近よく目にするようになったのが、各地で手間と時間をかけて育てられている「銘柄豚」。値段は高めですが、その分たしかに味が違います。たまには奮発して「銘柄豚」を食べて、丹精込めると、それは必ずお客さまに伝わることを実感しましょう。

「小寒」においしい野菜-ホウレンソウ


寒い時季においしくなるのが、緑黄色野菜の王様であるホウレンソウ。β‐カロテンやビタミンC、カルシウムなどの豊富な栄養素が、生活習慣病を防ぎ、風邪に負けない身体を作ってくれると言われています。簡単でおいしいのが、酒と昆布を入れた出汁で豚肉とホウレンソウを煮る「常夜鍋」。毎晩食べても飽きないことから、その名がついたとか。好みでほかの野菜や豆腐などを入れてもかまいません。ひと口にホウレンソウといっても、さまざまな品種があります。味が濃かったり淡白だったり、アクが多かったり少なかったりと個性はさまざま。ホウレンソウにせよ何にせよ、十把ひとからげで見てはいけませんね。

「小寒」にちなんだおもてなし
-七草粥にちなんで七つの具のあれこれを

1月7日に「七草粥」を食べる習慣は、平安時代からあったとか。春の七草(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ)を入れた粥を食べて、一年の健康を祈ります。それにちなんで、七つの種を入れた「ラッキーセブンおでん」や七つの野菜や肉を具にした「七草肉焼きそば」を作ってみるのはどうでしょうか。ホウレンソウや小松菜など旬の野菜を織り交ぜた「ニュー七草粥」や「七草鍋」も、お客さまの興味を激しくそそるはず。鏡開きの1月11日(地域によって15日のところも)に、お客さまや自分の一年の幸せを願う気持ちを込めて、揚げ餅のおつまみを出してみるのも一興です。

「小寒」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「年賀はがきは7日までは52円で出せるけど、1月8日からは62円なんですよね。もうお返事出しました? しかも16日以降に自分の住んでいる場所以外で投函すると、送り先に不足料金を請求されちゃうみたいですよ。めちゃ気まずいですよね」

「もうすぐ成人の日(2018年は1月8日)ですね。このあいだ知ったんですけど、『弱冠○○歳』の『弱冠』は、語源から言うと二十歳以外に使うのは間違いなんですって。まあ、最近では、別の年齢でも使っていいという考え方もあるらしいですけど」

「1月15日は『小正月』ですね。『女正月』とも言って、お正月に忙しい思いをした女性の骨休みの日らしいですよ。その日は、堂々とのんびりしてくださいね」

次回は「大寒」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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