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2017年12月14日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【冬至の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「冬至」とは

冬至【とう-じ】2017‐18年は12月22日~1月4日

冬に至ると書いて「冬至」。いよいよ冬本番がやって来ました。始まりの12月22日は、昼がもっとも短くなります。昔の人はこの日を「太陽がもっとも弱っている日」と考えて、人間も弱らないようにとさまざまな方法で健康を祈りました。そのひとつが、柚子の実を浮かべたお風呂に入る柚子湯。血行を促進して冷え性や風邪を予防する効果があります。江戸時代からある習慣ですが、「冬至」と「湯治」の語呂合わせから生まれたという説も。冬至の初日を境に、太陽の力は着実に強くなっていきます。日一日と昼が長くなっていくのを感じつつ、どん底を味わったらあとはよくなるだけという真理をかみ締めましょう。

「冬至」においしい貝-カキ

カキは12月頃から味や香りがよくなり、春先にかけてどんどんおいしくなります。「海のミルク」とも呼ばれていて、鉄、銅、亜鉛などのミネラルや、グリコーゲン、タウリンなど、カラダを元気にする栄養素がいっぱい。ビタミンCは鉄の吸収率をアップするので、カキにレモンを絞ってかけるのは理にかなっています。「加熱用」と「生食用」がありますが、これは鮮度の違いではありません。定められた海域で収穫して殺菌洗浄を行なったものが「生食用」で、それ以外が「加熱用」です。栄養や旨味が多いのは、むしろ「加熱用」。カキフライやカキグラタンを作るときは、迷わず「加熱用」を使いましょう。

「冬至」においしい野菜-カボチャ

「冬至の日にはカボチャを食べて無病息災を祈る」という習慣があります。カボチャの本来の旬は夏ですが、長期間の保存が可能なことから冬の貴重な栄養源とされてきました。ビタミンA、C、Eや食物繊維などがたっぷり含まれていて、アンチエイジングや美肌効果が期待できます。日本に伝わったのは室町時代。大分県に漂着したポルトガル船が、カンボジア産のカボチャを大名に贈りました。漢字で書くと「南瓜」で、「南京瓜」の略です。これは、中国の南京から伝わったと誤解されていた時期があったから。カボチャを通じて、物事におけるタイミングの大切さや、噂に惑わされる危険性を再認識したいものです。

「冬至」においしい加工食品-餅

昔から餅には、不思議な力があると考えられてきました。お正月や家を建てるときの棟上式を始め、お祝い事に欠かせません。鏡餅には年神様が宿ると言われていて、お雑煮にも神様の力のお裾分けをいただくという意味があります。全体の半分以上が糖質で、ご飯に比べてなんと35%増し。体重を気にする人にとっては怖い存在ですが、スポーツをするときには頼もしいエネルギー源になってくれます。お正月くらいは開き直って、餅をせっせと食べつつ新しい一年に立ち向かうエネルギーを蓄えましょう。ひき割納豆にからめて食べると、納豆のビタミンB1のおかげで糖質が効率よくエネルギーに変換されます。

「冬至」にちなんだおもてなし
-年越し蕎麦を先取りした「年忘れ蕎麦」

大晦日に食べる年越し蕎麦。細く長い蕎麦を食べて長生きを願ったり、切れやすい蕎麦を食べることで今年の苦労や不運を切り捨てたりといった意味が込められています。そういうことなら、大晦日に限る必要はありません。「冬至」が始まる頃から、「年忘れ蕎麦」をメニューに加えてみてはいかがでしょう。年越し蕎麦にのせる具にも、いろんな意味があります。海老は長寿のシンボル、卵はその色から金運が上がる縁起物、油揚げと関係が深いお稲荷さんは商売繁盛の神様、そしてネギは今年の苦労をねぎらう、など。これらを全部のせた「開運!年忘れ蕎麦」をお出ししたら、お客様に喜んでいただけそうですね。

「冬至」に繰り出したいセリフ

お客様との会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「冬至には『ん』がつくものを食べるそうですね。運がつくようにってことで。レンコン、ニンジン、キンカン、あとカボチャもナンキンで、このへんは『ん』がふたつも入っていて、とくに効くらしいです」

「忘年会の『忘年』には、自分の年を忘れるっていう意味もあるってラジオで言ってました。今日は一年の苦労を忘れたり年を忘れたりして、大いに盛り上がってください」

「縁起のいい初夢は一富士二鷹三茄子だけじゃなくて、四扇(しおうぎ、よんせん)五煙草(ごたばこ)とか、四葬礼(よんそうろう、しそうれい)五雪隠(ごせっちん)といった続きがあるんですってね。お葬式やトイレが出てくる夢って、どういう話なのかな」

次回は「小寒」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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