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連載
2017年12月4日

河野祐治の大繁盛への道【6】緊急企画! ドタキャン・ノーショウ対策5つの鉄則

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飲食店の稼ぎ時である忘年会シーズン。夜は宴会予約で埋まるという飲食店も少なくないだろう。しかし近年では、予約時間ギリギリにキャンセルする「ドタキャン」や、何の連絡もなしに来店しない「ノーショウ(無断キャンセル)」などが深刻化している。今年の忘年会シーズンでもドタキャン・ノーショウの被害を受ける飲食店の声が挙がりはじめた。そこで今回は、緊急企画としてドタキャン・ノーショウについての対策法を河野先生に伺った。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 ドタキャン・ノーショウは予防が大事!

ドタキャン・ノーショウへの対策は、予防と発生したときの2つが考えられます。しかし発生した場合の対策は非常に難しいため、発生させないための予防を第一に考えましょう。

この問題は特に都心の飲食店では深刻な問題ですが、地方も例外ではありません。これまで地方の飲食店はお客さまの顔が見えるという関係性もあり、ドタキャン・ノーショウが少なかったけど、最近は増えているという声も耳にします。逆を言えば、東京はお店とお客さまの関係がドライなので、ドタキャン・ノーショウのような問題が起こると言えるでしょう。

予約はその日の売上げ予測が立てられる、事前の準備ができる、提供する料理が決まっているためオペレーションがスムーズなどたくさんのメリットがありますが、ドタキャン・ノーショウのリスクと隣り合わせであることを覚えておいてください。

その2 予約確認の電話は「お客さまのために」と思わせる!

予防策の一つに、予約時に相手情報を細かく聞くことが挙げられます。忘年会だと特に会社や部署での宴会予約が多いため、企業名、部署名、名前、電話番号は押さえましょう。企業名を聞いておくだけでも、ドタキャン・ノーショウのリスクは低くなります。もしお客さまが企業名を開示しない場合は、予約を受けないくらい強気な対応でもOK。それはドタキャン・ノーショウをする可能性の高いお客さまと言えます。

また予約日の1週間前から前日までに、予約確認のショートメールを送りましょう。電話で予約確認をする際は、お店都合で電話をしたのではなく、あくまでお客さまのために電話していると思わせるようにします。例えば「人数変更はございませんか」「苦手な食材はございませんでしたでしょうか」など、「心からのおもてなしをするために連絡をしています」と感じてもらえるような文句があると印象がいいですね。

その3 キャンセルポリシーは文書化し履歴を残す!

私のクライアントのなかには「予約時間を10分過ぎても来店しない場合は、キャンセル扱いにする」「前日までに予約確認メールに返信がなければ、キャンセル扱いにする」といったルールを設けているお店もあります。ドタキャン・ノーショウのリスクを考えると、これくらい厳しいルールを設けても問題ないと思います。

こうしたキャンセルポリシーを設ける場合は、必ず予約確認時のショートメールに記載しましょう。後で言った・言わないのトラブル防止のため、ルールは必ず文書にして残すことが大切です。

その4 宴会予約は本当に必要か?

そもそもの話ですが、宴会予約が本当に必要かを考えることも重要です。19時からの予約の場合でも遅れて来るお客さまも多く、退店時間も後ろ倒しになりますよね。ここで大切なのは、後ろの時間を守ってもらうこと。21時までには退店してもらうことを事前に伝えましょう。
お店の規模や業態にもよりますが、フリー客で売上げが立つなら必ずしも宴会予約を取る必要はないでしょう。私のクライアントでも宴会と予約をやめたところ、売上げが上がったというお店もあるほどです。

また、1回転目のみ予約を取る、土日祝日は予約を取らない、予約できるのは常連客に限定するなど、予約の取り方でリスクを最小限に抑えることもできます。

特に貸し切り予約には注意が必要です。できれば貸し切り予約は顔の見えない一見客ではなく、常連客に限定するなどルールを決めた方が安全でしょう。

その5 ドタキャン・ノーショウによる売上げのダメージを抑えるサービスも

最近では、飲食店でデポジットを求めるケースも増えてきました。しかし、特に個人経営の飲食店では、なかなか踏み出せないようです。ドタキャン・ノーショウに対する、さまざまなサービスも登場しています。

トレタ」では損害を被った飲食店へ、1回につき1万円の見舞金が支払われる「お見舞金サービス」がスタートしました。このサービスは導入店であれば利用できるので、売上げのダメージを多少抑えることができるでしょう。

また予約困難な高級店でドタキャン・ノーショウが発生した場合、会員に空席情報が届くサービスを行なっている企業もあります。

こうしたサービスを利用せずとも、SNSで急な空席情報を発信するお店も多いですね。人気店の場合は、SNSアップ後すぐに空席が埋まることも多いですが、そうでなくともSNSで空席情報は発信するようにしましょう。こうした緊急のときにさまざまな人に見てもらうために、普段からのSNS活用が大切なのです。

まずはドタキャン・ノーショウを発生させないこと。これまで紹介した方法を取れば、ドタキャン・ノーショウが発生するリスクはぐっと下がると思います。(構成:虻川実花)

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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