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2017年11月28日

大野先生の飲食店開業に必要なお金講座【4】設備資金投資と運転資金投資に ついて

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特別な資格を必要とせずに開業できる飲食店は、新規参入が多い業態です。その反面で開業から3年後に継続している確率はたったの1割とも言われています。その多くが資金繰りがうまく行かず廃業していると考えられます。税理士業界初の飲食店開業支援専門の税理士 大野晃先生が、繁盛する飲食店が必ず行なっている開業資金の調達方法をわかりやすく解説します。(明日のレストラン編集部)

自己事業資金で総投資額はまかなえるか?

今回は自店に必要な総投資額を、自己事業資金でまかなえるか検討していきましょう。

総投資額は「設備資金投資」と「運転資金投資」の2つに分割できます。これらの投資額の合計が自己資金でまかなえない場合、日本政策金融公庫など金融機関からの借入れが必要となってきます。

ここで重要なのは、総投資額を正しく計算することです。計算を間違えた場合、最悪資金ショートの原因となるため注意しましょう。

内装の見積もりは正確にとる!

「設備資金投資」は、以下の項目が挙げられます。

 ・ 物件取得費(保証金、礼金、仲介手数料、前家賃など)
 ・ スケルトン物件の場合: 内外装工事費
 ・ 居抜き物件の場合: 造作譲渡料、 手直しの内外装工事費
 ・ 厨房機器購入費
 ・ その他食器などの消耗品類購入費
 ・ ホームページ制作費用 など

これら各項目の投資額から、設備資金の投資額を算出します。特に内装の見積もりは正確に取りましょう。例えば、居抜きで譲渡された大型の厨房機器を移動する場合、運搬往復費用と保管費用が発生します。これを見落としてしまった結果、工事費がかさんでしまったというケースもあります。そのため追加工事の有無や、基礎工事やり直しなどの可能性はあるかなど、事前に内装工事会社との打ち合わせをしっかりとしておくことが肝心です。

運転資金投資は変動費と固定費に分ける

次に「運転資金投資」は、材料仕入れなどの「変動費」と人件費や家賃などの「固定費」に分けて考えます。

「変動費」は基本的に売上げが上がらなければ発生しません。しかし創業当初は、資金にゆとりを持っておきましょう。そこで、最低売上げパターン(客単価×席数×実質稼働率×回転率)を曜日別に計算し、さらに月別の季節変動を考慮した売上げを計算。ここで算出した数字に、原価率をかけて割り出します。また、最初の1ヵ月はロス率を若干高めに設定し、材料仕入れのブレに対応できるようにしておきましょう。

「固定費」は業態によって異なりますが、基本的に人件費率、家賃、広告費など、自店にあった固定費を漏らさず計算します。

飲食店に必要な生命保険、医療保険、がん保険、食中毒保険などの損害保険関係のリスクヘッジ経費項目は見落としやすいので、忘れずに運転資金予定に計上しましょう。

運転資金は開業後半年以上分を確保する

日本政策金融公庫の統計によれば、約6割の企業が事業を軌道にのせるのに、半年以上かかったというデータがあります。業態にもよりますが、運転資金は半年分を確保しておく計算で、ゆとりをもった営業ができるようにしておきましょう。

次回は、日本政策金融公庫で必要な融資額を融資してもらうためのポイントをご説明します。

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大野晃
この記事を書いた人

ITA大野税理士事務所 飲食店開業融資支援専門税理士
株式会社CHANGE 代表取締役
「飲食店が必ずやっている開業資金の調達方法」著者
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昭和59年生まれ 東京都千代田区神保町に在住。

飲食店の開業率の向上、及び飲食店の廃業率の低下を理念に掲げており、また飲食店の成功を、本当に助ける事ができるのは開業前からの開業融資支援が重要と考え日々活動中。

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