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2017年11月27日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【大雪の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「大雪」とは

大雪【たい-せつ】2017年は12月7日~12月21日

「おおゆき」ではなく「たいせつ」です。大切なポイントですね。だんだん寒さが厳しくなり、北国ではスキー場がオープンし始めます。12月13日は「正月事始め」の日。現代では大掃除はもっと年末に行なわれますが、かつてはこの日に「煤払い(すすはらい)」を行なう習慣がありました。すみずみまできれいにすればするほど、新しい年に年神様がたくさんのご利益を持ってきてくれるとか。大掃除はまたあらためてやるとして、とりあえず13日には玄関や神棚などを念入りにきれいにして、年神様がいらっしゃる前の暮れの時期に、たくさんのお客さまがたくさんのご利益を持ってきてくださることを願いましょう。

「大雪」においしい魚-ブリ

脂がのった寒ブリがおいしい季節です。濃厚な味わいの秘密は「ヒスチジン」という旨味成分。ヒスチジンは、獲ってしばらくたったほうが量が増えます。身にはEPAやDHAといった不飽和脂肪酸がたっぷり。コレステロールを低下させたり、脳を活性化してくれたりします。成長するにつれて名前が変わる「出世魚」で、ブリを名乗れるのは体長が80cm以上のもの。出世する前はイナダ、ハマチ、メジロなどの呼び名があります。そういえば1980年代には、「ぶりっ子」のことを「ハマチ」と呼んだりもしました。最近は絵に描いたような「ぶりっ子」は見なくなりましたが、何にどう出世していったのでしょうか。

「大雪」においしい果物-リンゴ

国内のリンゴは、6割近くが青森県産。品種別では「ふじ」がトップを独走しています。リンゴがいかにカラダにいい食べ物か、説明し始めたらキリがありません。カリウムや食物繊維など豊富な栄養素が含まれ、高血圧予防、疲労回復、老化防止などに効果があると言われています。注目したいのが、人気上昇中の「葉取らずリンゴ」。果実の周囲の葉を取らずに残すことで、葉が作り出す養分をしっかり蓄えて糖度が増すとか。ただし、葉の影で表面に色ムラができてしまいます。葉取らずリンゴのおいしさを実感することで、人に対しても、見かけに惑わされず中身の良さをきっちり評価する大切さを肝に銘じましょう。

「大雪」においしい加工食品-豆腐

夏の冷奴もおいしいですが、寒い時期の「湯豆腐」は最高だし、鍋料理でも豆腐は欠かせません。豆腐の原料である大豆には、良質なタンパク質など栄養素がぎっしり含まれています。ただ、煮て食べても消化吸収率がイマイチ。豆腐にすることで、大豆の恩恵をたっぷり受けられます。木綿と絹ごしでは、型に入れて圧縮する木綿のほうがカロリーやタンパク質は3割ぐらい多めですが、水に溶けてしまうカリウムやビタミンB群は絹ごしのほうが多め。ま、そのへんの差はあまり気にせず、用途や食感の好みで選びましょう。ちなみに、木綿豆腐を作るときは木綿の布を使いますが、絹ごしを作るときに絹の布は使いません。

「大雪」にちなんだおもてなし
  -心とカラダの煤払いのススメとお歳暮

コンニャクは「胃のほうき」「腸の砂下ろし」とも呼ばれます。豊富に含まれている食物繊維が、お腹の中の有害なものを押し出してくれるとか。昔は12月13日の「煤払い」をはじめ、大掃除のあとに、カラダの中も掃除しようとコンニャクを食べる習慣がありました。お店で「年の瀬のコンニャク祭り」を開催して、心とカラダにたまった今年の煤を払ってもらうのはどうでしょうか。また、お歳暮を贈るのは、本来は「正月事始め」から12月20日頃まで。極端にお得な価格の「お歳暮メニュー」やちょっとしたプレゼントを用意して、今年一年の感謝をお客さまに伝えれば、来年もごひいきにしてくださるに違いありません。

「大雪」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「寒くなってくると、街中でも星や月がきれいですよね。冬は空気が乾燥しているから、夏よりも視界がよくなってクッキリ見えるらしいですよ」

「『真夏日』は知ってましたけど、『真冬日』もあるんですね。でも、一日の最高気温が0℃未満っていう条件らしくて、東京あたりではまずないですけど。最低気温が0℃未満の『冬日』は、たまにありますけどね」

「12月12日から16日(2017年)は、七十二侯でいうと『熊蟄穴(くまあなにこもる)』らしいですよ。熊はそろそろ冬眠なんですね。ああ、ボクも冬眠したいなあ。でも、熊の冬眠はカエルと違ってずっと寝続けるわけじゃないらしいから、退屈かもしれませんね」

次回は「冬至」をご紹介します。

夏至の巻
夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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