飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2017年11月18日

河野祐治の大繁盛への道【5】ファサードづくり 5つの鉄則

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販促には「メニューブックやポスターなどのリアル販促」と「ホームページやSNS、グルメサイトなどのネット販促」がありますが、お客さまの入店を後押しする“最後の砦”とも言える重要な販促が「リアル販促のファサード」です。ファサードとは店舗の外観、つまりお店の顔となるもの。今回はこのファサードの作り方について、河野氏に話を伺いました。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 ファサードづくりに重要な4つのポイント

自店のお客さまになる可能性が最も高い人は誰か。それは営業時間に関係なく、自店の店前を通る人と、いままさに店前にいる人ですよね。それを踏まえると、ファサードづくりのポイントは次のようになります。

①発見してもらう
そもそもお店の存在を知らなければ入店してもらえません。そのため目立ってなんぼのファサードをつくりましょう。

②ここに「○○屋があるよ」と宣伝する
そしてまず「何屋であるか」を明確に伝えます。お客さまは「今日は焼鳥を食べたいな」「和食を食べたい気分だな」「ワインの気分だな」などと考え、お店を探しています。こうしたお客さまの頭のなかにあるストーリーと、お店の業態が合致したとき入店に結びつくのです。店名をデカデカアピールしても、何の意味もありません。

③お店の魅力、売りを伝える
今一歩、入店を後押しするために、「本マグロ入荷」「日本酒100種」といったお店の売りを明確にします。

④入店を躊躇する理由を払拭する
それでもお客さまは、新しいお店に入るのを躊躇します。そこでお客さま目線に立って「躊躇する理由は何か」を自問自答してください。価格なのかメニューなのか、一人でも入れるのか、個室はあるのか……。そうした“躊躇する理由”を打ち消す見せ方ができれば、お客さまは入店してくれます。

その2 複合技で設置する看板の必要性を見極める

ファサードのなかでも、看板は重要な販促の一つです。ただ看板と一口に言っても、袖看板、ファサード看板、A看板、タペストリーなど、さまざまな看板があります。それらはどれも大切だと考えましょう。

例えば「このビルには袖看板が乱立しているから、効果がないだろうからやめよう」ではなく、複合技で考えます。すべての看板を点数式にし、袖看板の効果が1点、ファサード看板の効果が5点……と計算し、計32点の看板効果が見込めるとしましょう。看板効果が30点必要だとした場合、一つ一つの効果を積み重ね、どうやって30点に到達させるかを考える。これが複合技です。単純に「効果がなさそう」ではなく、「袖看板をなくしても看板効果が31点であれば、袖看板をなくしても問題ない」という考えで、看板の選定をしましょう。

また看板づくりでは、店名よりも「業態認知」を意識してください。「焼肉店」「豚骨ラーメン」といった業態を、小さくてもいいので入れることで、入店の敷居がぐっと低くなります。

ポスターやタペストリーをつくる際は、情報を絞り込みましょう。欲張って情報過多になると、かえって伝えたいことが伝わりません。そのため言いたいこと、売り、魅力をなるべく絞ってつくることを考えます。

その3 効果の高いファサードはこうつくる!

以下の写真は私が担当し、リニューアルしたお店のファサードです。業態がひと目でわかりやすく、テイクアウト可能であることを謳うことで、“入店を躊躇する理由”を打ち消しています。

また、店前に掲げたタペストリーも入店を誘発してくれています。店名を名付けた名物商品を大きく打ち出し、売りを明確に。また写真付にすることで、どういった商品ががひとめでわかるので「食べてみたい」という気持ちをかき立てます。

その4 お店のつくりを強みに変えアピールする

たまに「うちにはカウンターしかないので申し訳ない……」と思っている方もいます。けれどカウンターは、スタッフと距離が近いため一人でも来店できるなど、強みにもなります。繁盛店はカウンターから埋まりますしね。同様に「個室がない」は、靴をぬぐ必要がないので
サクっと飲みたいお客さまには好都合です。そうした固定概念は払拭し、それらを強みにできる宣伝で入店を促しましょう。

例えばカウンターだけのお店なら「お一人さま大歓迎」、個室がない分回転が早いなら「サクっと1杯だけでも」など。先述したように、お客さまの頭の中で想定するシーンに合致することができれば、入店が見込めるのです。

その5 飲食専門業者に施工を依頼する

内外装をつくる際は、ぜひ飲食店施工実績のある業者を利用してください。特に地方で多い失敗事例は、住宅メインの業者を使った場合です。住宅メインの業者を使うと、お客・スタッフ動線の勝手を知らないまま施工されるため、使い勝手が悪く仕上がるケースが多々あります。そうなるとランニングコストがかさむので注意しましょう。飲食店施工実績のある業者を探しましょう。飲食専門業者であれば、ファサードの見せ方も一緒に考えてくれますよ。

お客さまが入店した時点で、売上げは確定します。そのため店前の人を入店させる、効果の高いファサードづくりを目指してください。

「隠れ家の繁盛店」なんて、高等技術過ぎます。
(構成:虻川実花)

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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