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2017年11月14日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【小雪の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「小雪」とは

小雪【しょう-せつ】2017年は11月22日~12月6日

「雪」の字が入ってはいますが、実際には北国を除いて、まだ雪が降る時期ではありません。季節の移り変わりをせっかちに先取りして、早めに気配を感じ取るのが暦の得意技。もっと大胆に先取りしているともいえるのが、「小春日和」という言葉です。「小春日和」は春ではなく、晩秋から初冬(まさに今頃)の穏やかな暖かい晴れの日のこと。これからやってくる厳しい寒さを前に、その先の春に思いを馳せて小さな幸せや未来への希望を感じる――。お店の経営にも通じる、昔の人の知恵や教訓が詰まった言葉と言えるでしょう。

「小雪」においしい魚-フグ

高級イメージに満ち満ちた食材ですが、養殖技術が進んだ最近は、スーパーで一夜干しなどが意外に手軽な値段で並んでいるのを見るようになりました。タンパク質やコラーゲンが豊富で、美肌効果が期待できます。漢字で書くと「河豚」。中国では大きな河にいて、ルックスや鳴き声が豚と似ていることから、その字が当てられたとか。下関では縁起がいいように、濁らず「フク」と呼ばれます。猛毒があるのはご存じのとおりですが、店頭に並んでいるものは心配はいりません。一夜干しのあぶり焼きや唐揚げに宝くじを一枚おまけにつけて、「福招きメニュー」としてプッシュしてみるのはどうでしょうか。

「小雪」においしい野菜-ネギ

あるときは鍋の具材、またあるときは薬味……。主役になることは少なくても、ネギはいろんな場面でとてもいい仕事をしてくれています。東日本では根深ネギ(白ネギ)、西日本では葉ネギ(青ネギ)が主流。おもに白い部分に含まれていて香りや辛味の元であるアリシンは、血行促進や疲労回復、食欲増進に効果があると言われています。葉の部分は、βカロテンやビタミンCが豊富。根深ネギも葉ネギも、見た目や食感は違いますが、果たす役割もトータルの栄養もあまり違いはありません。蕎麦やうどんやラーメンに乗っているネギを見ながら、スタッフひとりひとりの個性を尊重する大切さをかみ締めましょう。

「小雪」においしい果物-みかん

みかんと言えば、一般的には「温州(うんしゅう)みかん」のこと。「温州」は中国の地名ですが、温州みかんは明治時代に鹿児島県で誕生しました。「温州」が柑橘類の名産地だったので、ちなんでつけられたとか。身がビタミンCの宝庫であるのは言わずもがなですが、薄皮やすじも侮れません。動脈硬化の予防に効果があるとされているルチンや、整腸作用がある食物繊維のペクチンなど、たくさんの栄養が含まれています。なるべく薄皮ごと食べましょう。お客様にその幅広い効能を説明しながら、「風邪が流行っているみたいですから」とみかんをお土産にお渡しすれば、きっと感激してもらえるはずです。

「小雪」にちなんだおもてなし
-勤労に感謝したり「師走」を意識したり

11月23日は「勤労感謝の日」。「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう日」です。もともとは、天皇が神々に収穫を感謝する「新嘗祭」の日でした。お客様の日頃の勤労とご愛顧への感謝を前面に出しつつ、今年収穫されたお米で作った新酒をそろえたり、新米を使ったメニューを増やしたりするのはいかがでしょうか。また、12月は普段は落ち着いているお坊さんも、忙しくて走り回るという「師走」です。「師走応援! スピードメニュー」として、すぐにお出しできるメニューをセレクトすれば、急いで食べたい忙しいお客様のニーズにお応えできるし、年末っぽい雰囲気も盛り上がるに違いありません。

「小雪」に繰り出したいセリフ

お客様との会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「11月22日は『いい夫婦の日』ですね。この日におふたりでお食事だなんて、さすが押しも押されもせぬ『いい夫婦』の○○さん!」(確実に夫婦とわかっているお客様にだけ使いましょう。万が一ややこしい関係だと、取り返しがつかない微妙な事態を招きます)

「ネギのつぼみの『ネギ坊主』ってありますよね。御神輿や橋の欄干の飾りは、ネギ坊主の形を表わしているそうですよ。ネギは香りが強いからか、昔から魔よけの効果があると思われてたんですって」

「みかんといえばこたつですけど、○○さんの家には、こたつありますか? なんかの調査によると、今はこたつは4分の1ぐらいの家庭にしかないそうですね。北海道は家全体を温める暖房が普及しているから、都道府県別のこたつ所有率はほぼビリなんですって」

次回は「大雪」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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