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レポート
2017年11月7日

食費データ研究所[報告書03]飲酒代トップ高知市を脅かすダークホースとは

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「食費」とは、読んで字のごとく食にかける費用のことを指しますが、生活費の中でも個人差が大きいものだと言われています。外食、中食、自炊でかなり変わりますし、地域的、文化的な影響も見逃せません。そんな食費について、FERI(食費データ研究所)が研究、分析します!

飲酒代トップはダントツ高知市

総務省が行っている全国9000世帯を対象とした収支や貯蓄・負債などを調べる家計調査には「品目別都道府県庁所在地及び政令指定都市ランキング」という集計があります。これは、飲食に関わる品目ごとの支出額を地域ごとにまとめたもので、都市によっていろいろな特色があることがわかります。

気になる外食費についても和食、中華、日本そば・うどん、喫茶代などというように外食区分ごとにランキングされています。この過去数年分のデータを見ていると、興味深いことに気が付きました。

飲酒代(飲酒代およびこれに伴う料理代)という区分についてです。まず、最新のランキング(2014~2016年)でのトップ3はこちら!

1位 高知市 39,969円
2位 東京都区部 29,737円
3位 熊本市 26,450円

1位の高知は昔から酒好きが多いと言われている地域です。おいしい日本酒や焼酎の産地であり、宴会好きな県民性という高知。金額でも全国平均の18,319円を2万円以上上回り、2位の東京都区部に1万円以上の差をつけぶっちぎりトップです。総務省サイトで確認できる過去ランキングを見ると、平成21~23年のランキングからずーっとトップの座に君臨し続けていることがわかります。どれだけ飲むんだ高知!  

さかのぼること1000年以上前の平安時代。紀貫之の「土佐日記」にも土佐(高知)の人たちが酒を飲んで酔っ払っているシーンが登場するとか。高知市民の呑んべいっぷりは由緒正しいとも言えるのです。

高知市を追いかけるダークホースが登場!

ぶっちりトップの高知市を脅かすのが最新のランキングで3位にランクインした熊本市です。ダークホースならぬダークベアと言ったところでしょうか。熊本市の過去のランキングを確認してみましょう。

2009~2011年 19位 19,236円
2010~2012年 19位 19,401円
2011~2013年 20位 17,798円
2012~2014年 16位 20,923円
2013~2015年 4位   25,091円
2014~2016年 3位  26,450円

2012~2014年までは20位前後と、ランキングの全国52都市の中でも平均よりちょっと上程度だった熊本市が、2013~2015年のランキングでは4位に急上昇し、2014~2016年では3位にランクイン。金額にして約5,000円と25%増加しています。

このランキングはご覧のように3年ごとの平均額を元に毎年作成されています。2012~2014年が20,923円、2013~2015年が25,091円ですから、2015年に急増したのだと推測できます。

2015年、熊本市で何が起きたのか?

2015年、いったいこの年に熊本で何が起きたのでしょうか!? 謎を探るべく、まずは熊本県庁の統計担当にお聞きしました。

「家計調査は把握しておりますが、飲酒代が増えた理由については分析しておりません」とつれないお返事。

熊本市役所の担当も聞いてみましたが、同様のお答えでした……。

それでは熊本県飲食業生活衛生同業組合はどうだ? 「えー、3位? そうですか、飲食店としては売上は苦しいままなんですけどねぇ……。」

お次は熊本商工会議所に聞いてみましょう。「震災後の復興需要なら少しはあるかもしれませんが、その前から売上が伸びているという話は聞いたことがありません。何かの間違いでは?」

震災があったのは2016年(平成28年)4月14日。熊本市が4位に躍り出たのが2015年なので、震災は関係なさそうです。

2014年、2015年あたりの熊本の出来事を調べてみても、飲酒代増加につながりそうなことは見当たりません。九州新幹線開通とくまモン誕生は2011年ですし……。

その他、地域の新聞社やタウン情報誌編集部、酒店などにもお聞きしましたが、みなさん一様に「わからない」とおっしゃいます。酒店の方は「飲食店の注文よりむしろ家庭用の酒の売上のほうが上がっています。外で飲むより安上がりですから。」とのこと。

他の関連するようなデータも分析中ですが、今のところ要因は不明のままです。ただ、「風が吹けば桶屋が儲かる」の言葉のように、何か風が吹いた可能性はあると考えられます。FERIではこれからも熊本の飲酒代について調査を続けます。また、この件について何かご存じの方がいましたらぜひ情報をお寄せください。お待ちしています!

品目別都道府県庁所在地及び政令指定都市ランキング
http://www.stat.go.jp/data/kakei/5.htm

■過去の調査はこちら

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食費データ研究所(FERI)
この記事を書いた人

現代の消費者がどのような食にどれくらい支出しているのか、その傾向や特性を研究、分析し、「食費」という観点から日本の食産業を総合的に研究することを目指し、明日のレストラン編集部内に設立された。Food expense research instituteを略してFERI(フェリ)の愛称で広く親しまれている。

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