飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2017年11月6日

飲食店専門! 石崎先生のよくわかる法律相談【8】スタッフがお客さま情報をSNSにアップ??

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店舗の貸借トラブル、スタッフの労務問題、お客さまからのクレーム・・・。飲食店の日々の営業の中で「法律的にどうなの?」「これって違法なの?!」と迷うことは少なくありません。法律はもちろんのこと、外食業界に精通した弁護士の石崎先生が、飲食店経営にまつわる悩みにズバリと回答をします。

スタッフがお客さまの情報をSNSにアップしているようです。

本日の相談
レストランチェーンに勤務している者です。

都心エリアの複数店がマネジメントしており、場所柄、芸能人のお客さまも頻繁に来店されます。

あるスタッフから、お客さまの情報がSNSに出ていると相談を受けました。人気グラビアアイドルが男性と二人で食事に来たという内容でした。

名前や店名などすべてイニシャルで伏せてあるため、一般的には誰のことを書いてあるのかわからないようになっているのですが、店のスタッフなどが見ればわかってしまう内容です。実際の来店記録と合致するため、スタッフの誰かが投稿していると考えられます。

どのような対応を取るべきか、ご教示お願いいたします。

(ゼネラルマネージャー 40代 男性)

早急な再発防止策を!

石崎先生の回答
一時期、飲食業や小売業などでスタッフによるSNSの炎上騒動が社会問題として、連日、メディアに大きく取り上げられました。

スタッフ(特にアルバイト)が、注目を浴びたいがゆえに、危険な行動などを撮影し、SNSにアップロードしたというものですね。食洗器や冷蔵庫に入ったり、食材で遊んだり、さまざまなものがありました。

それらは、業者や店舗側による「予防」と「事後対応」両面での厳格な対応により、かなり減りました。大きく報道されたことも影響があると思います。しかしながら、芸能人や有名人の来店情報は未だに取りざたされています。

結論的に言えば、今回のように店も氏名も全てイニシャルで、個人を特定できないのであれば、法的に問題になることはまずありません。もちろん、周辺情報と一緒になって、誰か推理できるような状況であれば、問題となります。例えば、ある有名人がある場所にいたことがすでに大きく報道されているような状況で、その有名人のイニシャルを出して、「今話題になっているXさん」などと書けば、その時のことを指しているのは明らかということになります。

とはいえ、社内の士気にも関わりますから、対外的に問題にならなければいいというわけにはいきません。またこのような問題はエスカレートしますから、一罰百戒の意味を込めて、しっかりと対応すべきだと思います。

実害がないのであれば懲戒までは難しいでしょうが、せめて、始末書などの形で、一筆書かせ、再発防止を約束させましょう。その上で、再度行った場合は、より強いペナルティを課すことも伝えておく必要があります。

加えて、この件を全社・全店舗で情報共有するとともに、今後は情報端末の使用やSNSの利用規定などを作成し、既存の従業員に対して、確認の署名をもらうことで、再発防止につながります。

若い従業員を雇う場合には、インターネット・リテラシー(インターネットを適切に使う能力)についても、会社・店舗側が、主体的に教育しておく必要があることを意識してください。

■相談一覧
【1】 20名様のドタキャン。泣き寝入りしかないですか?
【2】 寿司のネタだけ食べてシャリを残す。食べ方はお客さまの自由?
【3】アルバイトにペナルティって課せられる?
【4】自家製サングリアの提供ってダメなの?
【5】お子さんのケガ。これって店の責任?
【6】「お子さん入店お断り」は法律的にOKですか?
【7】突然の家賃の値上げ。従うしかないですか?
【8】スタッフがお客さま情報をSNSにアップ??
【9】店内でお客さまの持ち物が盗まれた? 店にも責任があるの?
【10】SNS に事実と違うことが書かれました。対応策を教えてください!
【11】ランチタイムだけ友人に店を貸したい。気をつけることは?

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食費データ研究所[報告書01]金沢・富山のアイス好きの謎に迫る!


若き飲食経営者たちの夢〈1〉赤塚元気氏(株式会社DREAM ON COMPANY)

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石崎冬貴
この記事を書いた人

弁護士・社会保険労務士 弁護士法人横浜パートナー法律事務所(http://www.ypartner.com)所属 フードコーディネーターとしても活動し、法的支援を得ることの少ない小規模飲食店や飲食関連業者を支援するため、 飲食業界専門で法的支援を行っている。飲食店支援サイトも開設

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