飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2017年10月26日

岡本まーこ「制服コレクション」04 和の中で感じる魅力的なギャップ

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「制服ソムリエ」とは、飲食店の素敵な制服を眺め、調査し、分析する孤高の戦士。制服を愛し、制服から溢れ出るその店のフィロソフィーを愛する者だけに与えられる称号である。

店のコンセプトを体現し、料理のおいしさを引き立てる大切な要素である制服。制服を制する者は飲食業を制すと言っても過言ではありません。

制服ソムリエの第一人者である岡本まーこが、飲食店の制服の魅力を余すところなくご紹介します。

国際化進む新宿歌舞伎町で「和」を求めて……

みなさま、ごきげんよう!

三度の飯より四度の飯、それよりもっと制服が大好きな、制服ソムリエの岡本まーこです。美味あるところに輝く制服あり、輝く制服あるところに美味あり。今日はどんな制服と出会えるでしょう?

やって来たのは新宿歌舞伎町。ちょっとした南の島(八丈島)住まいのわたくし、ひさしぶりの大都会です。ていうかこのへん、日本語じゃない言葉をしゃべってる人すんごく多くない!? ずいぶんインターナショナル化が進んでいるようです。

これだけインターナショナルだと、逆になんだか日本的なものが恋しくなりますね。道行く外国人の方々もきっとそれを望んでいるはず!

というわけで、突撃するは「お江戸あやとり」。おお、江戸にあやとりときたらこれはもうまごうことなき和。よーし、ここだー!!

歌舞伎町の中心部にあるビルの6階、エレベーターを降りるとそこは……。

あれ? ワイン? 和じゃないの? おフランスなの?

……いやいや、よく見るとこれ日本酒だ! ワインのようにテイスト別に分類されてディスプレイされてるのだ。日本酒をこうやってカテゴライズするのはおもしろいですな。珍しい日本酒も多く、期待が高まる!

その先には暖簾のかかった入口が。ビルの中だけどなんだか小料理屋に入るみたいでいいねぇ。和だよ、和。

出迎えてくれたのはもちろん和服の中居さん……ん? あれ!?

和服じゃなかった! ぜんぜん洋風! でもなんかいい、この意外性! ワクワクしてきたぞー!

ギャップある制服にはさりげない遊び心が

お店に入るとまず目に入るのはカウンター内の焼き場。こだわりの銘柄鶏を備長炭で丁寧に焼いています。円形でステージというかお立ち台のよう! 

なんとこの台は回転し、焼き場を取り囲むカウンター席のお客様に直接焼き物を提供します。ろばた焼きスタイルですが、こんな台見たことない! 特注だそうです。

エントランスのワインかと見まごう日本酒やホールスタッフのシックな制服に一瞬「洋?」と思っちゃったけど、しっかり和ですね!

和なの? 洋なの? 意外性とギャップに興奮!

席に着くと巻物を手渡されました。なんとこれメニューだそうです。

なるほど、和食とろばた焼きが中心のお店ですね!

でもそれより気になっちゃうのがこのエプロン。胸当て付きの首掛けエプロンなんだけど、首紐の部分がかっこいい! 

サロペット(昭和語ではオーバーオール)の胸当て部分に使われている「吊りカン」というパーツで首紐がつけられています。首紐もよく見ると少しストライプに織ってあっておしゃれすぎる! こういうエプロン、長い制服ソムリエ人生の中でも初めて見ます。とっても素敵! 聞けばオリジナルデザインだとか。

それに白いシャツに黒いネクタイというシックなスタイルに、サロペットみたいな遊び着のパーツが加えるって、ニクイ遊び心を感じます。否応なしに料理への期待が高まるってもんよ。

はい来た!! エプロンの遊び心どころじゃないですよこれは。だって盆栽みたいなのが乗って稲穂がこうべ垂れちゃってるんですよ。小さな細工を施された料理と小物が組み合わされ、日本の秋を見事に表現しています。八寸という枠を越えた自由なキャンバス、いや箱庭ね。

伝統に新しさをプラスしたうれしい裏切り

ホールスタッフ、板前さん、焼き方さん、それぞれ違う制服を着用。ホールスタッフのエプロンはよくよく眺めると、裾にスリットが入っていたり、腰紐がねじって巻かれていたりと、小技がきいてます。この巻き方、海外では主流になりつつある最新スタイルなんですって!

焼き方さんの作務衣もよく見るとなんとデニム生地。これも珍しい~。ここにも遊び心を感じますね。

一見カッチリした落ち着くお店だけど、至るところに未知のワクワクを感じさせてくれる仕掛けがあって新鮮さもたっぷり。これぞギャップの美学。和、再発見です。これは外国からのお客さまも喜ぶだろうな~!

今回も素敵な制服に出会えました。制服よ、今夜もありがとう!
次回はあなたの店を訪れるかもしれません。

お江戸あやとり

■過去の記事

岡本まーこ「制服コレクション」01 イタリアンの魅力を引き立てる爽やかなブルー


岡本まーこ「制服コレクション」02 吉祥寺では餃子祭りが毎日開催!?


岡本まーこ「制服コレクション」03 くさや愛あふれる八丈島の魚食堂

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岡本まーこ
この記事を書いた人

制服ソムリエ 埼玉育ち。都心と八丈島を行ったり来たりして生活しているフリーライター。制服を着るのは嫌いだが、見るのは大好き。同じ物を着ることで生まれる一体感と、同じ物を着ていても現れてしまう個性の両方に魅力を感じる。

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