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2017年10月27日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【立冬の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「立冬」とは

立冬【りっ-とう】2017年は11月7日~11月21日


気候はまだ秋の気配ですが、暦の上では冬の到来です。「冬」の語源は、諸説あるものの、冷えるという意味の「冷(ひ)ゆ」が変化したものという説が有力。立冬のど真ん中の11月15日は、子どもの成長の節目を祝う「七五三」です。三歳は男女両方が対象で別名「髪置きの祝い」、五歳は男子が対象で別名「袴着の祝い」、七歳は女子が対象で別名「帯解の祝い」。最近は11月15日にこだわらず、前後の休日に行なうケースが多いようです。晴れ着の親子が神社にお参りしている光景を見ると、こっちまでほっこりした気持ちになりますね。

「立冬」においしい魚-タラ

冬においしく身が真っ白なタラは、魚偏に雪で「鱈」と書きます。鍋物の定番で、あっさりしたタラチリもよし、キムチを加えてチゲ鍋もよし。高タンパクで低カロリー、しかも脂肪を分解すると言われるビタミンB2も豊富で、ダイエットの強い味方でもあります。タラといえばおもにマダラのことですが、スケトウダラの存在も忘れるわけにはいきません。ちくわやかまぼこなどの練り製品の原料として大量に使われているし、おなじみのたらこや明太子はスケトウダラの卵巣です。タラの鍋やたらこをタラフク(タラの腹がふくらんでいることが語源)食べて、適材適所の大切さについて考えてみましょう。

「立冬」においしい野菜-ハクサイ

一年じゅう出回ってはいますが、寒い時期を迎えてからのハクサイは、また格別です。ビタミンCやカリウム、食物繊維など健康や美容にうれしい成分がたっぷり。精進料理の世界では、大根、豆腐とともに、冬にオススメの「養生三宝」と言われています。ん? 上のタラも含めて、鍋にすれば全部いっぺんに食べられますね。ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、煮たり炒めたりすることで一度にたくさん食べられるので、目減りを心配する必要はありません。ただし、煮ると栄養分が溶け出すので、スープもなるべく飲むようにしましょう。千切りにしてサラダで食べても、シャキシャキした食感が楽しめます。

「立冬」においしい酒-ボジョレーヌーボー


毎年11月の第3木曜日(2007年は11月16日)は、ボジョレーヌーボーの解禁日。日付変更線の関係で、本国のフランスよりも日本のほうが早く解禁されます。ヌーボーは「新酒」の意味で、流通するのは赤とロゼだけ。醸造期間が短いため、渋みが少なく軽い味わいで飲みやすいのが特徴です。少し冷やしたほうが、よりおいしく飲めるでしょう。一般的に赤ワインは肉料理に合うと言われますが、ボジョレーヌーボーはむしろ魚料理や和食との相性がバッチリ。そして、しまい込まず新鮮なうちに飲むのが鉄則です。ボジョレーヌーボーをせっせと飲めば、意外な出会いや新鮮な出来事がもたらされるかもしれません。

「立冬」にちなんだおもてなし
-あの手この手の「七五三」シリーズで

七五三は誰にとっても懐かしくて喜ばしい行事。そんな七五三にあやかって、7と5と3にこだわった特別メニューを提供してみましょう。串焼きで「塩7、タレ5、つくね3」の盛り合わせを作ったり、7種類の野菜と5種類のトッピングと3種類のドレッシングで「七五三サラダ」を作ったり。白っぽいウインナーと赤っぽいウインナーを並べて「千歳飴風」にするのも一興です。また、イタリアワインの新酒「ノベッロ」の2017年の解禁日は10月30日、オーストリアワインの新酒「ホイリゲ」は11月11日。ボジョレーヌーボーの解禁の前に、ちょっと通な新酒を取りそろえてお出しするのも楽しそうです。

「立冬」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「酉の市は、もう行かれましたか? 今年みたいに三の酉(11月6日、18日、30日)まである年は火事が多いらしいので、火の元には用心しないといけませんね」

「ワインの新酒もありますけど、日本酒も今年のお米で作った新酒の『しぼりたて』が、そろそろ出始めますね。入ったらお知らせしますから、楽しみにしていてください」

「秋が終わってもしぶとく鳴いている秋の虫の音のことを『忘れ音(わすれね)』って言うんですって。今日もお店に来る途中で、最後の力を振り絞って鳴いている虫がいたんですけど、命のはかなさっていうか諸行無常っていうか、柄にもなくしんみりしちゃいました」


次回は「小雪」をご紹介します。

夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
冬至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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