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連載
2017年10月25日

河野祐治の大繁盛への道【4】メニュー開発 6つの鉄則

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年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける飲食店コンサルタントの河野祐治氏。本連載では、大繁盛店になるためのヒントをズバリ教えていただきます。

一口にメニュー開発と言っても、名物メニューからサイドメニューの作り方、メニュー構成の組み立て方、そして値付けの考え方など多岐に渡る。そこで今回は、メニュー開発を行なう際、具体的にどこから始め、どのように進めていくべきか、開発の取り組みについて河野氏に伺いました。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 目指して来てもらえる名物メニューを作ろう

繁盛店には「○○の××を食べに行こう」と、目指して来てもらえる名物メニューが必ずあります。メニュー開発を行なう際は、まず看板となる名物メニューを考えましょう。

名物メニューは、店のコンセプトやテーマに沿ったものを考えます。また印象に残るようなこだわりやストーリー、提供方法も付け加えるとよいでしょう。例えば「豚肉100%のハンバーグ」。ありふれたハンバーグの材料をちょっと変えるだけで、ここにしかないメニューとなり、印象に残りやすくなりますよね。

その2 名物メニューは入口と出口で考える

規模や業態にもよりますが、こうした看板メニューは1〜3品作るといいでしょう。特にアルコール業態は、入口と出口の名物があるとベストです。近年、2軒目、3軒目と店をハシゴする人も少なくなってきました。

そのために出口、つまり〆の名物メニューまで考えておくと強いでしょう。〆まで注文してもらえると、客単価アップにもつながりますしね。入店を誘う名物メニューと、〆まで食べてもらう名物メニューの2つを考えてみてください。

その3 定番メニューのクオリティはしっかり高めるべき

名物メニューができたら、その脇を固めるサイドメニューも考えます。ここで大切なのは、その業態の定番メニューを一通り揃えること。居酒屋ならポテトサラダや煮込みなどがその例です。

どの店にもあるメニューということは、お客さまのなかに「おいしさ」の基準ができています。そのためお客さまは「ここのポテトサラダより、○○のお店のポテトサラダの方がおいしいよね」といった具合に、自然と比較しています。逆を言えば基準があるからこそ、手を抜いてしまうと悪い印象を与えかねないのが、サイドメニューなのです。

メニューを考える際は、自分の引き出しのなかだけで勝負する必要はありません。今の時代、インターネット上に無料の情報が多くあります。こうした情報をうまく活かすことも考えましょう。求められるのは「情報検索能力」です。調理スキルがない場合でも、情報検索力でカバーできる部分もあるので、どんどん検索能力を高めメニュー開発に活かしてください。

その4 外食傾向を捉え、メニュー構成を考える

業態にもよりますが、コースのように各カテゴリーから少しずつ食べてもらえるのが、正しいメニュー構成のあり方です。そのため、カテゴリーの数や各カテゴリーの品数など、お客さまの食べる量を考えながら組み立てるといいですね。

メニュー構成の考え方は、客層や利用頻度によって異なります。例えば客層が幅広く来店頻度の高い店は、カテゴリーを広く持つのがよいですし、目的来店を狙う店なら、メニュー数を絞り込むとよいでしょう。

トレンドを追う必要はありません。ただ外食傾向の大きな流れというのは常にあるので、それは捉えておきます。最近で言えば、お一人さまが主流になってきているので、小ポーションで低価格のメニューを取り入れるのもいいと思いますよ。

その5 勝負所のドリンクの品揃えを厚く持つ

ドリンクもコンセプトに合わせた品揃えが必要です。売りたいのは日本酒なのかワインなのか、料理に合わせるものを考えつつ、構成しましょう。

ここで重要なのは、勝負所となるドリンクの品揃えを厚くすること。ドリンクの種類を横軸、カテゴリーの品揃えを縦軸と考えると、ちょうど「T型」になるラインアップを考えます。単にアルコール100種類よりも、ワイン100種類、日本酒100種類という方が、圧倒的な差別化になりますしね。

その6 価格は最初に上限額を決める

メニューの価格を決めるときは、まず上限価格を決めます。お客さまは全商品の価格を見たとき、一番高い価格からこの店が安い店か、高い店かを判断します。そのため上限価格が高すぎると、ほかの商品はカジュアルなのに高い印象を持たれてしまいます。これを「価格にふたをする」と言います。

また価格がバラバラだとお客さまはストレスを感じます。ですので、ある程度は表示価格を揃えるよう心がけましょう。

価格の高い商品は、粗利額を取るメニューと考えます。一方で、価格の低いメニューは粗利率で稼ぐメニューです。そのため上の価格はなるべく上げず、下の価格を上げるようにするといいと思います。
■河野先生の連載一覧はこちらから
【1】繁盛店視察の6つの鉄則

【2】コンセプトづくり5つの鉄則

【3】人材育成 5つの鉄則

【4】メニュー開発 6つの鉄則

【5】ファサードづくり 5つの鉄則

【6】緊急企画! ドタキャン・ノーショウ対策5つの鉄則
【7】ネット販促 5つの鉄則

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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