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2017年10月11日

リピーターが増える! おもてなし歳時記 ~二十四節気の旬の食材と話題【霜降の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

※「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「霜降」とは

霜降【そう-こう】2017年は10月23日~11月6日


いよいよ秋本番。冷たくなってきた空気が、もうすぐ霜が降る季節がやってくることを予感させます。この季節に楽しみたいのが、色とりどりの紅葉。気象庁の発表によると今年の紅葉(カエデ)の見ごろは平年並みで、関東の山間部も10月中旬ごろから徐々に色づいてきます。葉が赤や黄色に色づく木があるのは、緑のまま枯れるのを待つと木に有害な活性酸素を作ってしまうから。もしかしたら人間も、年齢を重ねてやや枯れかけてきたら、あえて派手な服装やライフスタイルを心がけたほうが、元気が長く保てるかもしれません。

「霜降」においしい麺-ソバ

新ソバには「夏新」と「秋新」がありますが、味や香りをより深く楽しめるのは、10月から11月(北海道は9月中旬から)に出回る秋の新ソバです。ソバにはタンパク質やビタミンB群、食物繊維などさまざまな栄養がバランスよく含まれています。注目したいのがポリフェノールの一種であるルチン。白いソバよりも黒い田舎ソバに多く含まれ、高血圧や糖尿病の予防効果があると言われています。食後にソバ湯を飲むのは、おいしいからだけではなく、ゆで湯に溶け込んだ栄養をムダにしないため。たっぷり飲んで、ソバの恩恵を存分に受けましょう。

「霜降」においしい魚-シシャモ

シシャモの旬は、お腹に卵を抱えている秋です。最近は干物に限らず、北海道産の生の「本シシャモ」が出回るようになりました。刺身で食べると、アユのような香りがあって絶品です。ただ、本シシャモは流通量が少なく、値段もお高め。一般的に流通している「シシャモ」のほとんどは、カナダやノルウェーから輸入された「カペリン」(カラフトシシャモ)です。こちらはこちらで独特の脂がのっていて十分に美味だし、何よりリーズナブル。豊富なカルシウムなど栄養面でも遜色はありません。魚にせよ人にせよお店にせよ、肩書やイメージに惑わされず、本当の値打ちをしっかり見抜いてフェアに評価したいものです。

「霜降」においしい野菜-ダイコン

ダイコンは一年じゅう出回っていますが、秋から冬はとくに甘みが増します。おでんやブリダイコンなど、大いに活躍してもらいましょう。焼きサンマとの相性の良さについては「白露」の回でお話ししましたが、何といっしょに食べても、豊富に含まれている消化酵素が胃腸の働きを整えてくれます。葉の部分もカロテンやビタミンCなど、緑黄色野菜の栄養がたっぷり。切り干しダイコンにするとうまみが凝縮され、しかもカリウムは14倍、カルシウムは23倍、食物繊維は16倍になるなど、栄養価が一気にアップするとか。水でもどした状態でワカメやジャコと和えて、酢醤油やごま油で味をつけたサラダもオツです。

「霜降」にちなんだおもてなし
-干し野菜を使った料理で「干しに願いを」

上記のダイコンだけではなく、ほとんどの野菜やキノコや果物は、干すことでうまみや栄養価がアップします。初心者でも簡単なのはキノコ類ですが、ナス、ニンジン、ピーマン、キャベツなど、あれこれチャレンジしてみたいところ。干し野菜を使った料理や干しフルーツ、シシャモなど魚の干物、梅干しを入れたサンマの梅煮あたりを用意して、「干しに願いをフェア」を開催してみるのはどうでしょう。健康やダイエットの願いは、干し野菜などが実際に叶えてくれるかも。ぜんぜん脈略はありませんが、10月31日の「ハロウィン」を意識した飾り付けと合わせれば、華やかで何となく意義深い感じになりそうです。

「霜降」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「『秋の日は釣瓶落とし』って言いますけど、ホントですね。ところで、本物の“釣瓶”って見たことありますか。私はないんですよね。鶴瓶さんはよくテレビで見ますが」

「天気予報で言ってましたけど、今日『木枯らし一号』が吹いたらしいですよ。木枯らしって真冬かと思ったら、10月半ばから11月末ぐらいに吹く風のことを言うらしいですね」

「11月1日は『十三夜』ですね。このあいだの『十五夜』(10月4日)と同じ場所で見るといいって聞きましたよ。まだぜんぜん満月じゃないけど、昔の人は少し欠けてるところに美しさを見出したそうですね。なんか粋だなあ」

次回は「立冬」をご紹介します。

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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