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2017年9月20日

飲食店専門! 石崎先生のよくわかる法律相談【6】「お子さん入店お断り」は法律的にOKですか?

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店舗の貸借トラブル、スタッフの労務問題、お客さまからのクレーム・・・。飲食店の日々の営業の中で「法律的にどうなの?」「これって違法なの?!」と迷うことは少なくありません。法律はもちろんのこと、外食業界に精通した弁護士の石崎先生が、飲食店経営にまつわる悩みにズバリと回答をします。

「お子さん入店お断り」は法律的にOKですか?

本日の相談
おじが経営するフレンチレストランでアルバイトをしている大学生です。

先月まで、ランチタイムのみお子さんの入店をOKとしていましたが、店内で騒ぐお子さんが増えたため、お断りすることになりました。もちろん、ほとんどがお行儀よく過ごしてるお子さんばかりですが。

これまでのようにお子さん連れで来店されるお客さまに、入店ができなくなったと説明しても、なかなか理解してもらえません。せっかく楽しみに来てくださったのに、お断りするのはとてもツライです。

お客さまを差別していることになるので、法律に触れるのではないかと気になっています。法律上の問題はないのでしょうか。
(アルバイト 10代 女性)

ご心配されるような法律上の問題はありません。

石崎先生の回答
考え方はとてもシンプルです。店は誰と契約するか自由に選ぶことができます。つまり、どんな人を客とするかを店が決めることができるのです。

ですから、子連れでの入店を拒否することも自由です。いわゆるグランメゾンのような超高級店でのドレスコードや、「12歳以下の入店はご遠慮願います」などの年齢制限がわかりやすい例でしょう。ドレスコードや年齢制限は差別ではなく、他のお客さまに一定以上のサービスや雰囲気を提供するために設けられたものと考えるとわかりやすいと思います。

しかし、法律上の問題はないと言っても、現実に対応する側の立場ではなかなか難しい問題です。特に、開店からある程度期間が経ってから子連れの入店をお断りするなど、新たに条件を付けるわけですから、既存のお客さまへの対応方法が悩ましいと思います。既存のお客さまを失う可能性もあるかもしれません。

その一方で、子連れのお客さまをお断りすることで、店は落ち着いた雰囲気を確保できるため、新しいお客さまを開拓できるかもしれません。これは経営方針や考え方で決めていけばよい問題です。

例えば、こんな方法もあります。客数の少ない平日の夕方など、時間や曜日を区切って、子連れを可能にしたり、他のお客さまに迷惑がかからない個室であれば子連れを受け入れるなど、さまざまな工夫をして幅広いお客さまを受け入れている店もあります。このようなやり方を検討するものいいかもしれません。

近年は、単に子連れをOKとするだけでなく、子連れ向けの環境を積極的に作っている店も出てきました。ベビーカーでの入店やお子さま向けのメニュー・食器などはもちろん、授乳室やキッズスペースを作ったり、離乳食などの持ち込み可など、「キッズ・フレンドリー」(子連れにもお勧め)であることを前面に押し出すことで、常連のお客さまを確保しています。

せっかくお越しくださるお客さまのためにも、一度、店の設備や営業方法を見直してもよいかもしれませんね。

明日のレストランでは、石崎先生にアドバイスして欲しいお悩みをお待ちしています。応募はこちらから

■過去の相談
【1】 20名様のドタキャン。泣き寝入りしかないですか?
【2】 寿司のネタだけ食べてシャリを残す。食べ方はお客さまの自由?
【3】アルバイトにペナルティって課せられる?
【4】自家製サングリアの提供ってダメなの?
【5】お子さんのケガ。これって店の責任?

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食費データ研究所[報告書01]金沢・富山のアイス好きの謎に迫る!


若き飲食経営者たちの夢〈1〉赤塚元気氏(株式会社DREAM ON COMPANY)

協力:
弁護士法人横浜パートナー法律事務所
飲食店支援サイト

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石崎冬貴
この記事を書いた人

弁護士・社会保険労務士 弁護士法人横浜パートナー法律事務所(http://www.ypartner.com)所属 フードコーディネーターとしても活動し、法的支援を得ることの少ない小規模飲食店や飲食関連業者を支援するため、 飲食業界専門で法的支援を行っている。飲食店支援サイトも開設

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