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2017年9月12日

リピーターが増える! おもてなし歳時記〜二十四節気の旬の食材と話題【秋分の巻】

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「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「秋分」とは

秋分【しゅう-ぶん】2017年は9月23日~10月7日

9月23日は「秋分の日」。この日を境に、昼よりも夜のほうが長くなっていきます。秋のお彼岸も、「秋分の日」を中日(ちゅうにち)とした前後3日間。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、徐々に秋の色が濃くなっていきます。お彼岸といえばお墓参り。春分の日と秋分の日は真西に太陽が沈むため、彼岸(あの世)と此岸(この世)がいちばん近くなると考えられています。また、春は種まき、秋は収穫の時期なので、ご先祖さまに豊作を祈ったり感謝を捧げたりする意味もあるとか。お墓参りは中日に行なうのが「正式」というわけではなく、お彼岸の7日間なら、ご先祖さまへの声の届きやすさはたぶん同じです。

「秋分」においしい魚-サケ


サケの別名は「アキアジ」。この時期、北海道や東北の川では、戻ってきたサケの姿が見られます。筋子をほぐして作る自家製イクラは、また格別のおいしさ。日本酒にもワインにも、そして白ご飯にもよく合います。じつは日本人は、世界の漁獲量の3分の1を消費している大のサケ好き。「サケ」と「マス」は極めて近い仲間ですが、境目ははっきりしません。回転寿司のサーモンに使われている「サーモントラウト」は、元はニジマスで養殖品種にそういう商品名を付けたもの。ベニザケも昔はベニマスと呼ばれていました。いろんな種類のサケを食べながら、細かい分類や呼び方にこだわる無意味さを感じましょう。

「秋分」においしいキノコ-マツタケ

キノコの王さま、いや秋の味覚の王さまといえばマツタケ。とはいえ、国産のマツタケはあまりにも高価です。お手軽な輸入物のマツタケは、輸送距離が長く検疫の関係で洗浄が必要なため、肝心の香りがイマイチ。薄切りにしてお酒を少しふると香りが復活するという説もありますが、国産並みというわけにはいきません。そもそも輸入物の中には種類が異なる「マツタケもどき」もあります。国産の代用品としてではなく、最初からまったく別の食材として、大きく切ってソテーやフライにするなど大胆に使ってみましょう。過去のしがらみや既成概念に縛られず、新しい一歩を踏み出すきっかけになるかもしれません。

「秋分」においしい果物-クリ

「桃栗三年、柿八年」と言います。物事は根気が大事ということを教えてくれる言葉ですが、実際に桃や栗や柿は収穫までこのぐらいの年月がかかるとか。栗は炭水化物を豊富に含んでいて高カロリーなので、縄文時代から大切な食料として食べられてきました。ナッツの一種ですが、ほかのナッツ類よりも脂質が少ないのが特徴です。また、渋皮には、コレステロールの低下や糖尿病予防に効果があるとされるタンニンがたっぷり。栗ご飯を炊くときには、渋皮を少し残して栄養や香りをとことん堪能しましょう。ほかにも、スイーツはもちろん、グラタンやパスタ、サラダなどに使っても、びっクリのおいしさです。

「秋分」にちなんだおもてなし-いろんなものを「月見団子風」に積んで


今年の「十五夜」は10月4日です。ちなみに満月は2日後の10月6日。その近辺を「お月見ウィーク」にして、いろんな種類の「月見団子風」メニューを作ってみてはいかがでしょう。ミートボール、ミニトマト、たこ焼き、トリュフなど、丸いものなら何でもOKです。もちろん上新粉や白玉粉で作った本来のお団子に、黒蜜などを添えてデザートとして出すのもオツなもの。月見団子は、1段目に9個、2段目に4個、3段目に2個の計15個が基本ですが、ものによっては数を減らしてもいいかもしれません。うどんやラーメンを「月見」にしたり、焼きそば、野菜炒めに目玉焼きをのせたりするのも楽しいですね。

「秋分」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「お彼岸といえば、おはぎ(御萩)とぼたもち(牡丹餅)ですけど、あれって同じものらしいですね。秋は萩の季節だからおはぎなんですって。ただ、粒あんとこしあんで呼び方が違うとか、あんときな粉で違うとか、諸説あるみたいですが」

「10月は神無月(かんなづき)ですね。そっか、このあたりの神さまはみんな出雲に話し合いに行っちゃったのか。いったい何を話し合ってるんでしょうね」

「今日みたいに十五夜の月が雲に隠れているのを『雨名月』(あめめいげつ)って言うらしいですけど、とっても風情がある言い方ですよね」

次回は「寒露」をご紹介します。

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旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

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