飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2017年9月11日

岡本まーこ「制服コレクション」03 くさや愛あふれる八丈島の魚食堂

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「制服ソムリエ」とは、飲食店の素敵な制服を眺め、調査し、分析する孤高の戦士。制服を愛し、制服から溢れ出るその店のフィロソフィーを愛する者だけに与えられる称号である。

店のコンセプトを体現し、料理のおいしさを引き立てる大切な要素である制服。制服を制する者は飲食業を制すと言っても過言ではありません。

制服ソムリエの第一人者である岡本まーこが、飲食店の制服の魅力を余すところなくご紹介します。

美しい海の色を身にまとい新鮮な魚を提供!

みなさま、ごきげんよう!

三度の飯より四度の飯、それよりもっと制服が大好きな、制服ソムリエの岡本まーこです。今日も心浮き立ち食欲が進む制服を目指していざ行かん!

実はわたくし、3年ほど前に八丈島という離島に移住しました。東京から約300km、美しい海とふたつの山を有する南の島です。ちなみに東京都です。車は品川ナンバーだよ!

人口8000人弱というこの島は、いわゆる南の島らしいゆる~いムードが常に漂っております。飲食店は個人経営店のみで、のんびり家族営業がほとんど。こんな土地の飲食店に果たして制服はあるのか!?

ありました!

しかも、くさやという伊豆諸島を象徴する名産品の製造メーカーが営むお魚食堂です! それがこちら、「地魚干物食堂 藍江ヶ水産」。

ほうほう、ポロシャツの胸元にお店のロゴ。シンプルだけど、深い青の地に清潔感のある白いロゴがよく目立ってる! 大きな倉庫を改装した店内はコンクリート打ちっぱなしの壁と広い空間が印象的。そこにこの青い色がいいアクセントになってますな。

「藍ヶ江水産の『藍』をイメージしてこの色にしたんです」

八丈島の南に位置する藍ヶ江港から取られた屋号。このポロシャツはその名の通り、深い藍色をたたえる藍ヶ江港の海を表しているのですね!

くさや愛ほとばしる制服を見よ!

最初にいただくのは、もちろんくさや!

魚を独特のにおいの発酵液に浸けてから乾燥させる干物です。食に保守的なタイプの人間を絶対に寄せ付けないマニアックな香りと、その奥からにじみ出る強い旨味が魅力。

私も最初は苦手でしたが、移住して半年ほどたったある日、突然そのおいしさに開眼し、今ではくさやと白いごはんの組み合わせを思い浮かべるだけでよだれが止まりません。八丈島産の焼酎にも合うけど、ごはんも進みます!

う〜ん、芳しい香り。これこれ! あ~~~、くさうまいっ!

これがくさや液。魚から出る水分と塩だけでできている、数十年伝わる貴重な液体です。見た目はあれですが、思ったより臭くないぞ? 生の魚をここに浸けることで独特の香りと旨みが作られるそうな。

ちなみにこの香り、犬が大好きです。犬に嗅がせたら本気で心配になるくらい狂喜乱舞していました。


見てください、袖のこの文字!

WE LOVE KUSAYA

このさりげないくさや愛アピールがたまりません!

くさやだけではありません。八丈島近海で獲れた新鮮な魚が毎日入荷され、熟練の職人によってさばかれ、刺身はもちろん、煮つけや揚げ物からアヒージョなど洋風にまでおいしく料理されちゃいます。

こちらは「島寿司」! いわゆる江戸前の握り寿司とは違い、魚をヅケにして、わさびでなくからしを使っているのが特徴です。八丈島では家庭でも日常的に手作りされる、国民食ならぬ島民食です。

ああ、おいしい。しみじみおいしい!

プロフェッショナルな白い長靴をチャーミングに


くさやと島寿司をいただきつつ島で作られた焼酎を堪能していると、隣の席でオーダーをとるスタッフの足元が目に入りました。

白長靴!!!!!

築地とかのおじさんたちが履いてるやつ!(イメージ)

「なんで白長靴かって? もともと加工場でみんなが履いてたんで、そのまま定着しちゃっただけなんだ。でも魚屋っぽくていいでしょ!」

そう話してくれたのは10年前に廃業したくさやメーカーを引き継いで再生させた社長(写真中央)。

白長戦隊参上!

藍色の制服にプロ感ある白長靴、いいねいいねぇ。

店長さん(写真左)の、ズボンをまくってのハーフパンツ風着こなしも素敵です。
プロフェッショナル&チャーミング!

「これ? ただ動きやすいからです(笑)」

それでいいんです。動から生まれる実用美。これこそが制服の魅力なのです!

今回も素敵な制服に出会えました。制服よ、今日もありがとう!
次回はあなたの店を訪れるかもしれません。


地魚干物食堂 藍江ヶ水産地魚干物食堂 藍江ヶ水産

■過去の記事

岡本まーこ「制服コレクション」01 イタリアンの魅力を引き立てる爽やかなブルー


岡本まーこ「制服コレクション」02 吉祥寺では餃子祭りが毎日開催!?

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若き飲食経営者たちの夢〈1〉赤塚元気氏(株式会社DREAM ON COMPANY)

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岡本まーこ
この記事を書いた人

制服ソムリエ 埼玉育ち。都心と八丈島を行ったり来たりして生活しているフリーライター。制服を着るのは嫌いだが、見るのは大好き。同じ物を着ることで生まれる一体感と、同じ物を着ていても現れてしまう個性の両方に魅力を感じる。

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