飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2017年8月29日

リピーターが増える! おもてなし歳時記〜二十四節気の旬の食材と話題【白露の巻】

この記事をシェアする

「季節感」は、あなたのお店をあたたかく魅力的に彩ってくれます。日本で昔から親しまれてきた「二十四節気」。それぞれの時期に合わせた旬の食材と話題で、お客さまに季節の移ろいを味わっていただきましょう。それは何より心がこもったおもてなしであり、あなたのお店のリピーターを増やす最強の武器になってくれるはずです。

「二十四節気」とは?
一年をおよそ15日ずつ二十四の季節に分けたもの。立春、夏至、大寒など、漢字二文字で季節ごとの特徴を表現しています。現在は二十四節気の最初の日だけを指しますが、もともとは時期全体のことでした。年によって、それぞれの時期は多少前後します。

「白露」とは

白露【はく-ろ】2017年は9月7日~9月22日

白露を迎えるころは昼と夜の寒暖差が大きくなり、草木の葉や枝に朝露が滴ります。それが朝日に照らされて白く見えたことが「白露」の由来。たまには早起きして、公園などで「白露」を探してみましょう。9月9日は「重陽の節句」。桃の節句(3月3日)や端午の節句(5月5日)と同じように、縁起がいいとされる奇数(陽の数字)が重なる五節句のひとつです。昔から邪気を祓い長寿を願って、菊の花を飾ったり菊の花を浮かべたお酒を飲む習慣がありました。今はやや忘れられがちですが、年配の偉い方の前であえて話題にすれば「おっ、キミわかってるね」と一目置かれて、何かと“重用”されるかもしれません。

「白露」においしい穀物-コメ

待ちに待った「新米」の季節です。新米がおいしいのは、水分をたっぷり含んでいてふっくらした炊きあがりになるから。また、コメは収穫後に酸化が徐々に進んで、味や風味が落ちてしまいます。コメを選ぶ際に着目したいのが、でんぷんの成分における「アミロース」の比率。少ないほうがもっちりしたご飯になります。ゆめぴりかやミルキークイーンは「低アミロース米」の代表で、冷めても粘りが残るのでお弁当やおにぎりに最適。いっぽう、ホシユタカなどの「高アミロース米」は、しゃっきりした食感でピラフやカレーに向いています。あれこれ食べ比べながら、適材適所の大切さを噛みしめましょう。

「白露」においしい野菜-サトイモ

サトイモは、縄文時代にイネよりも早く渡来しました。あの独特のぬめりは、多糖類のガラクタンとたんぱく質が結合したもので、動脈硬化や高血圧の予防、コレステロールの低下に効果があるとか。秋になると山形県や宮城県などで盛んに行なわれるのが「芋煮会」です。山形県は醤油ベースで牛肉が入り、宮城県は味噌ベースで豚肉が入るなど、地域ごとに流派の違いはありますが、里芋が主役という点は同じ。今年も9月17日には山形市で、直径6mの大鍋で大型重機を使って3トンの里芋を煮る「日本一の芋煮会」が開催されます。

「白露」においしい魚-サンマ


サンマは秋の味覚の代表格。去年に続いて今年も不漁が予想されていますが、予想が外れることを祈りましょう。さまざまなビタミンやDHA・EPAといった不飽和脂肪酸が多く含まれるなど、栄養の豊富さは言わずもがな。焼きサンマに必ず大根おろしが添えられるのは、ただの飾りではありません。大根おろしの消化酵素が、脂が多いサンマで引き起こされる胃もたれを防ぎます。サンマのビタミンEと大根のビタミンCが力を合わせることで、不飽和脂肪酸の働きをさらにアップさせるという効果も。カップルのお客さまに「おふたりのように最強のコンビなんですよ」と言いながらお出しするのも一興ですね。

「白露」にちなんだおもてなし-新米祭り&新サンマと大根おろしアートで

せっかくの新米の季節ですから、ご飯をおいしく食べてもらいたいところ。明太子、つくだ煮、塩辛、肉味噌といった「ご飯のお供」をたくさん用意して、サービスやオプションでご提供してみるのはどうでしょう。「新米限定」と銘打って、社会人1年目のお客さまに限って、ご飯の大盛りを無料にするなんてのも楽しそうです。また、サンマをお出しする際に、近ごろ話題の「大根おろしアート」を繰り出せば、お客さまに喜んでいただけるし話題を呼ぶこと間違いなし。ネコが定番ですが、いろいろ工夫して作ってみましょう。

「白露」に繰り出したいセリフ

お客さまとの会話にさりげなく季節感を盛り込んで、楽しい気持ちになってもらったり「おやっ、このお店はひと味違うかも」と思ってもらったりしましょう。

「秋ナスだけじゃなくて、秋サバは嫁に食わすなって言葉もあるらしいですね。でも、それもおいしいから食べさせないっていう意地悪な意味じゃなくて、脂が多いとか腐りやすいとかで身体に悪いからってことらしいですね」

「○○さんにとって、秋といえば『何の秋』ですか?」(自分が好きなジャンルを言うはずなので、ほぼ間違いなくそこから話が弾む)

「今度の月曜日(9月18日)は、敬老の日ですね。おじいちゃんやおばあちゃんには、いっぱいかわいがられたなあ。○○さんはどうですか?」(乗ってくればそれでよし。もし言葉を濁したら、話したくない事情があるということなので、すんなり引き下がろう)

次回は「秋分」をご紹介します。

【関連記事】
夏至の巻
小暑の巻
大暑の巻
立秋の巻
処暑の巻
白露の巻
秋分の巻
寒露の巻
霜降の巻
立冬の巻
小雪の巻
大雪の巻
夏至の巻
小寒の巻
大寒の巻
立春の巻
雨水の巻
啓蟄の巻
春分の巻
清明の巻
穀雨の巻
立夏の巻
小満の巻
芒種の巻

■おすすめ記事

ドクター石原の大人の接客力講座 ―「困った!」に効くコトバの特効薬【2】お客さまにやんわりビシッと注意する


岡本まーこ「制服コレクション」02 吉祥寺では餃子祭りが毎日開催!?

この記事をシェアする
旬の力総研
この記事を書いた人

食材、お酒、料理、日本文化、コミュニケーションなど、幅広い専門分野を持つメンバーが集結。暦と食、暦と日常生活の幸せな関係を追求し、旬の食べ物や旬の話題をおもてなしにどう生かすかを総合的に研究している。

おすすめ5選

新着記事