飲食店で働く人のための情報マガジン by トレタ

連載
2017年8月22日

河野祐治の大繁盛への道【3】人材育成 5つの鉄則

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年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける飲食店コンサルタントの河野祐治氏。本連載では、大繁盛店になるためのヒントをズバリ教えていただきます。

あらゆる業界で悩まされている人材不足。特に飲食業界では人材不足が顕著で、採用や定着に苦労しているという声もよく耳にします。3回目となる今回は「人材について」、河野氏にお話していただきました

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まリます。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 人材不足はお店を表す一つのバロメータ

どんなに優秀なお店でも人材不足に悩まされることがあるほど、「人材」はお店を運営する上で大きな問題です。そのなかでも人が集まり、定着するお店に共通するのは、そのお店や経営者に魅力があることです。

スタッフ全員が元お客さまだったり、他店から「働きたい!」と料理人やサービススタッフが転職してきたり……。これが人材確保の本来の姿です。逆を言えば、これができていないお店は魅力が足りない、伝わっていない可能性があります。そのことから見ても、人材不足は「お店を表す一つのバロメータ」とも言えるのです。

その2 まずは辞めないこと

まずは確保した人材を「辞めさせないこと」を考えましょう。これは採用よりも先に着手すべき課題です。そうしなければ、いつまで経っても人不足は解消できません。

人が続かない原因の一つに「お店に対しての不信感」というのが挙げられます。例えばAさんから教わったことをやると、Bさんから「それは違う」と言われた。すると教えられた方は「?」となり、店に対して不信感を抱くのです。これを解決するには教える人間を日替りにせず、始めから数週間は教育担当者を1人に限定することが大切です。

またモチベーションを維持、向上させる策として有効なのが、「褒めて伸ばす」こと。私のクライアントのお店に、あるアルバイトの女性がいたのですが、彼女は何となく接客態度が冷たい。しかしある日、お客さまから「彼女いい感じだね」と言われたので、アルバイトの女性を褒めたところ、見事に接客が向上したという話がありました。褒めることで人は成長するため、コミュニケーションを密にとりながら、ちょっとしたことでも褒めてあげましょう。

その3 自分はスタッフから尊敬される存在か?!

飲食店は「人が人を使って人をもてなす商売」です。人を育てられないのであれば、家族や身内だけでやればいいだけ。もし店を増やしたい、人を育てたいと考えているなら、あなた自身の魅力を養いましょう。さて、あなたはスタッフに尊敬される存在ですか?

人材不足に困っていないというお店は、スタッフがイキイキと楽しそうに働いていますし、経営者や店長はスタッフたちから好かれている雰囲気があります。そうしたお店に行って、雰囲気を見てくるだけでも参考になると思いますよ。

その4 採用にもマーケティング視点を!

採用では待遇や掲載媒体など小手先のテクニック論に走りがちですが、一番重要なのは「採用=マーケティング」という考え方。売上げアップ策を顧客目線で考えるのと同じように、採用も応募者目線で考えなければなりません。

明確にすべきは「どんな店か」「どういう人を求めているか」「どういう価値観を持っているか」「どういうものを提供しているか」です。「誰でも来て!」というのは応募者にひっかかりません。例えば、英会話が得意な人に限定する、ワインを勉強したい人にアピールするなど、募集要項を見た人に「私のことだ!」と思わせるフックを打ち出すことで、応募者数は増えますよ。

その5 ネットツールが教育、理念浸透、採用活動と一石三鳥に!

複数店舗を展開していくなら、経営者の右腕となる人材の存在が絶対です。2桁店舗まで増えると、経営者一人では理念を全スタッフに伝えるのが難しくなります。そこで必要なのが、理念が薄まらないよう中継点となって下のスタッフに理念を伝えたり、経営者に代わって現場のオペレーションを指導したりする右腕の存在です。理念が浸透している企業は、儲かる企業であることが多いです。

人や採用に困っている、人が欲しいという状況でブログ、SNS、HPを持たないのは論外です。特にブログやSNSは、経営者の想いを気軽に発信でき、階層のフィルターを通さず全スタッフに直接伝えることができます。実は社内向けに書きながら、それを外部の人が見ているため、結果的には採用活動にもつながりますしね。

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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