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連載
2017年7月19日

河野祐治の大繁盛への道【2】コンセプトづくり5つの鉄則

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年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける飲食店コンサルタントの河野祐治氏。本連載では、大繁盛店になるためのヒントをズバリ教えていただきます。

今回テーマに挙げるのは「コンセプトづくりとその考え方」です。必要なのは、お客さまをリピートさせる魅力的なコンセプトづくり。コンセプト立案に必要なことや、それを伝えるためのツールづくりのポイントなどを河野氏が説明します。

河野流「繁盛店」の定義とは 
その名の通り、繁盛している店であり、飲食店の中で1割程度しかないと言われます。では、残り9割の飲食店は赤字なのかと言えば、決してそうではありません。わかりやすく例えると、繁盛店とは毎月毎月キャッシュが積み上がっていくような状態です。具体的には、20坪以内の店であれば月間坪売上20万円以上が目安です。売上は「客単価×客数」で決まります。個人経営の場合は、高い価値を提供することで客単価を上げて、来店頻度を高めることが重要です。そこで不可欠なのが「リピーターづくり」です。繁盛店はリピーターづくりに長けていると言えます。

その1 普通の考えから脱却せよ!

なぜ繁盛店は1割しかないのか!? 繁盛店が繁盛店たる理由は一つ、“普通でないから”です。ではなぜ9割のお店が“普通なのか”というと、固定概念に捉われているためです。例えば「地方は個室がないと集客できない」「ワインは都心でないと売りにくい」など。こうした固定概念を疑うことで、普通の考えや普通の行動から脱却できます。

「麦わら帽子は冬に買え」「犬が西向きゃ尾は東」。これらは株式相場の格言で、要は「人と同じことすべきでない」という意味です。飲食ビジネスも同様で、人と同じことを続けているようでは、繁盛店への道は遠いと考えた方がよいでしょう。

その2 強みの探求がコンセプトづくりの第一歩!

お店の価値を高めるために必要なのは、「魅力的なコンセプトがあること」です。私はコンサルティングを行なう際、経営者の生い立ちから経歴、得意なこと、好きなことなどから聞いていきます。そこから強み、差別化できるポイント、ロケーションなどさまざまな要素を洗い出し、それらをすべてミックスしたら何ができるかを考えます。商売は強みを上に築くのが鉄則。トレンドや流行は重視しません。そうすることで、失敗する確率がぐっと減ります。

その3 「価値」を盛り込んだコンセプトづくりを!

飲食業に限らず、世の中の食レベル全体の向上により、近年では不味いお店を探す方が難しくなりました。要するに「美味いから売れる」時代ではないのです。有名店で修業を積んだシェフの高級店は除くとして、だいたい客単価5000円以下のお店なら、味の細かな差別化が難しいのが現状です。

今は中食・内食のクオリティも上がっていますし、わざわざ外食をする必要がないと考える人も増えてきました。では、外食と中食・内食の明確な違いは何か。それは、お腹を満たすだけが目的ではないということです。お腹を満たすだけなら中食・内食でいい。外食は食事目的だけでなく、デートや接待ができる場であったり、マスターとの会話ができる場であったりと、中食・内食にはないことができる「価値」を提供できます。こうした「価値」も、コンセプトに盛り込むといいでしょう。

その4 コンセプトは4つの要素で考えよ!

そもそもコンセプトとは「①誰の」「②どんな利用動機に応え」「③何を」「④どのように提供するか」という4つの要素から成り立ちます。

「①誰の」は性別、年齢などで、「②利用動機」はデート利用、宴会利用、接待利用とか。「③何を」は名物メニューなどの明確な売りの他、夜景がきれいなどの空間の売りも入ります。最後の「④どのように」はオペレーションのことで、前会計なのか、後会計なのかなどです。

①〜④のなかで、最も大切なのは①と②の組み合わせです。例えば「①会社帰りの会社員が、②ストレス発散でいく店」か、「①カップルが、②勝負デートに使える店」なのかなど。

4つの視点から導き出したコンセプトをもとに、メニューや看板、サービス、HPなどをどうするかを考えます。「コンセプトは○○だから、ポーションは少なくした方がいいね」というように、判断基準の拠り所となるのがコンセプトです。お店がうまくいくかどうかの6割は、コンセプトづくりにかかっているといっても過言ではありません。

その5 中学生でもわかる表現で!

メニューブックや看板、ポップなどのツールがわかりやすいことも、繁盛店の特長です。店名やメニューのネーミング、差別化のポイントなど、繁盛店はお客さまに伝えたいことをストレートに伝える力を持っています。そこでメニューブックやポスター、webなどのコピーは、「中学生でもわかるような表現になっているか」を念頭において作成します。かっこいいだけのメニューブックや、おしゃれなだけのポスターは単なる「作品」であり、売れるツールとしては活躍してくれません。

わかりやすい表現の一例。まる重 http://www.marushigeoita.com/

また売れるツールにするためには、テーマを統一することが大切です。例えば「女性が一人で来る想定で」「とことん○○押し!」といったテーマに沿った制作物であるかを確認します。このテーマとは初めから設定するものではなく、コンセプトの見直しや自分らしさを追求することで、より明確になってきます。
(構成:虻川実花)

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参考:
飲食店コンサルタントの独り言

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河野祐治(かわのゆうじ)
この記事を書いた人

飲食店コンサルタント、中小企業診断士 年間30~40件の開業・新店・新業態プロデュースと、年間100件以上のコンサルティングを手掛ける。講演やセミナーも全国で年間70~80件実施し、メディアの取材や執筆も多数。<著書>「500店舗を繁盛店にしたプロが教える 3か月で『儲かる飲食店』に変える本(日本実業出版社)「飲食店完全バイブル 売れまくるメニューブックの作り方」(日経BP)「繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え」(東京カレンダー)「これだけは知っておきたい 儲かる飲食店の数字」(日本実業出版社)ブログ「飲食店コンサルタントの独り言」は、多くの業界人が読んでいる。

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